払った社会保険料は老後に返ってくる?厚生年金の受給額シミュレーション【2025年度】

この記事でわかること

  • 毎月払っている厚生年金保険料が老後にどのくらい戻ってくるか
  • 月収別の老後受給額の目安と元を取るまでの年数
  • iDeCo・NISAと厚生年金の組み合わせ方

社会保険料は消えているわけではない

毎月給与から引かれる社会保険料を見て「これだけ取られるのか」と感じる人は多いですが、その中の厚生年金保険料部分は将来の年金受給額に直接つながります。所得税や住民税と違い、払った分は老後に「年金」として戻ってきます。「いくら払っていくら戻るのか」を試算したことがある人は少数派です。自分の保険料が老後にどのくらいの価値を持つかを知ることは、老後設計の第一歩になります。

厚生年金の受給額はどうやって決まるか

厚生年金の受給額(報酬比例部分)は、平均標準報酬月額と加入期間によって決まります。2003年4月以降の加入分は次の式で計算されます。

年金額 ≒ 平均標準報酬月額 × 5.481 ÷ 1000 × 加入月数

給与が高く、長く加入するほど老後の年金が増える仕組みです。自営業(国民年金のみ)より会社員(厚生年金加入)の方が老後の年金が手厚い主な理由がここにあります。

月収別の厚生年金受給額シミュレーション

現在の月収が40年間(480ヶ月)続いた場合の厚生年金受給額の目安です。

月収 標準報酬月額 月払保険料(本人分) 40年間の払込総額 月受給額(目安)
25万円 260,000円 約23,790円 約1,142万円 約68,400円
30万円 300,000円 約27,450円 約1,318万円 約78,900円
36万円 360,000円 約32,940円 約1,581万円 約94,700円
50万円 500,000円 約45,750円 約2,196万円 約131,500円

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の受給額は加入期間・制度改正・物価スライド等により異なります。国民年金(老齢基礎年金)の受給額は別途加算されます。

「払い損」になるのか?収支を試算してみる

月収30万円の人が40年間払い続けた厚生年金保険料(本人負担分)は合計約1,318万円。65歳から月約78,900円を受給する場合:

  • 年間受給額:78,900円 × 12 = 946,800円
  • 元を取るのにかかる年数:1,318万円 ÷ 946,800円 ≒ 約13.9年
  • 65歳受給開始なら約79歳で元本回収

日本人の平均寿命(男性81歳・女性87歳)を考えると、平均的には元を取ることができます。しかもこれは本人負担分だけの話です。会社は同額の厚生年金保険料を負担しており、実質の積み立て元本は2倍(約2,636万円)になります。これを含めると受給期間が延びるほど圧倒的に有利な制度です。

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iDeCo・NISAとの違いと組み合わせ方

厚生年金には自分で運用する制度にはない独自のメリットがあります。

比較項目 厚生年金 iDeCo・NISA
受給期間 死ぬまで受給(無期限) 残高がなくなれば終わり
長生きリスク カバーされる カバーされない
障害・遺族保障 障害年金・遺族年金あり なし
会社の負担 同額を会社が負担 なし
インフレ対応 物価スライドあり 運用次第

厚生年金は「最低限の終身保障」として、iDeCo・NISAは「上乗せの資産形成」として位置づけるのが合理的です。会社員の場合、厚生年金の土台がある分、iDeCoやNISAへの掛け金を老後の余裕資金として積み立てやすくなります。自分のiDeCoもこの考え方で活用しています。

厚生年金を増やすためにできること

  • 長く会社員として働く:加入月数が増えるほど受給額が増える
  • 給与を上げる:平均標準報酬月額が高いほど受給額が増える
  • 繰り下げ受給を活用する:受給開始を1年遅らせるごとに8.4%増額(最大75歳まで)

自分の標準報酬月額や月々の社会保険料の目安は社保ジャッジ(https://tool.shaho-judge.com)で確認できます。将来の年金額はねんきんネット(日本年金機構)でも確認可能です。

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まとめ

  • 厚生年金は給与が高く加入期間が長いほど、老後の受給額が増える
  • 月収30万円・40年加入なら月約79,000円の受給見込み。65歳開始で約14年で元本回収
  • 会社負担分を合わせると実質の積み立て元本は本人払込の2倍で、非常に有利な老後保障
  • iDeCo・NISAは厚生年金の上乗せとして活用するのがベストな組み合わせ

本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。実際の年金受給額はねんきんネット等でご確認ください。

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