産前産後休業(産休)中の社会保険料免除|出産手当金・育休との違いを解説【2025年度版】

この記事でわかること

  • 産休中に社会保険料が免除される仕組みと期間
  • 出産手当金の計算方法と月収別の支給額
  • 産休と育休の社保免除の違い・申請の流れ

産休中は社会保険料が免除される

産前産後休業(産休)中は、健康保険料・厚生年金保険料が本人負担分・会社負担分ともに全額免除されます。2025年度の情報をもとに執筆しています。育休と同様に手続きが必要で、申請しないと免除されないため、出産を控えている方は事前に確認しておきましょう。

産休・育休を連続して取得する場合、それぞれの期間について免除が適用されます。産休から育休にスムーズに移行すれば、長期間にわたって社会保険料の負担ゼロが続くことになります。免除期間中も将来の年金額には影響しないため、安心して制度を活用できます。

産前産後休業の対象期間

産前産後休業の対象期間は労働基準法で定められています。

  • 産前休業:出産予定日の42日前(多胎妊娠の場合は98日前)から
  • 産後休業:出産後56日まで(本人が請求した場合、産後42日以降の就業は可能)

社会保険料免除の対象期間は、産前産後休業開始月から終了翌月の前月まで(月末日に終了する場合はその月も含む)です。例えば8月10日に産休を開始し11月20日に終了した場合、8月・9月・10月の3ヶ月分が免除対象となります。

多胎妊娠(双子以上)の場合は産前休業が最大98日に延長されるため、免除期間も長くなります。出産予定日から逆算して、いつから産休を開始するか早めに会社の担当部署と確認しておきましょう。

免除される保険料の種類

産休中の社会保険料免除の対象は以下の通りです。

  • 健康保険料(本人負担・会社負担ともに全額)
  • 厚生年金保険料(本人負担・会社負担ともに全額)
  • 介護保険料(40〜64歳の場合・本人負担・会社負担ともに全額)

雇用保険料については社会保険料免除の対象外です。産休・育休中に給与が支払われない場合は雇用保険料の徴収も発生しませんが、制度としての免除制度は設けられていません。

月収別の免除額シミュレーション

実際にどのくらいの金額が免除されるか、月収別に試算してみましょう(東京都・協会けんぽ・40歳未満・産休3ヶ月の場合)。

月収 等級・標準報酬 社保月額(本人) 3ヶ月分の免除額
25万円 17等級 260,000円 約36,764円 約110,292円
30万円 19等級 300,000円 約42,420円 約127,260円
40万円 24等級 410,000円 約57,974円 約173,922円

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の免除額は加入する保険者や都道府県料率によって異なります。

月収30万円の場合、産休3ヶ月だけで本人負担の保険料約12.7万円が免除されます。会社負担分も同額程度免除されるため、実質的な免除総額は約25万円規模にのぼります。

出産手当金の計算方法

産休中は無給になる場合がほとんどですが、健康保険から「出産手当金」が支給されます。産休中の免除制度とは別に受け取れる給付金です。

出産手当金の1日あたりの支給額:標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3

月収 標準報酬月額 支給日額(目安) 産休98日の合計(目安)
25万円 260,000円 約5,778円 約566,244円
30万円 300,000円 約6,667円 約653,366円
40万円 410,000円 約9,111円 約892,878円

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の支給額は標準報酬月額や加入保険者によって異なります。

月収30万円の場合、産前42日+産後56日=98日間で約65.3万円を受け取れます。産休中の社保免除による節約と出産手当金の受給を合わせると、月収30万円で約78万円(12.7万円+65.3万円)の経済的メリットがある計算です。

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育休との社保免除の違い

産休と育休はどちらも社会保険料が免除されますが、制度の根拠・期間・手続きが異なります。

項目 産休(産前産後休業) 育休(育児休業)
法的根拠 労働基準法 育児・介護休業法
期間 産前42日(多胎98日)〜産後56日 子が原則1歳になるまで(最長2歳)
社保免除開始 産休開始月から 育休開始月から
申請 会社経由で年金事務所へ 会社経由で年金事務所へ
給付金 出産手当金(健保から) 育児休業給付金(雇用保険から)

産休と育休を続けて取得する場合は、それぞれについて免除申請が行われているか会社の担当者に確認しましょう。手続き漏れで保険料が徴収されてしまった場合は、遡って申請・還付できる場合があります。早めに年金事務所または会社の担当部署に相談してください。

申請手続きの流れ

産休中の社会保険料免除の手続きは会社が行います。本人がやること・確認することをまとめます。

  1. 産休取得の意向を会社の人事・総務担当者に早めに伝える(産休開始の1〜2ヶ月前を目安に)
  2. 会社が「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所に提出する
  3. 産休開始月から保険料の免除が適用される
  4. 産休終了後、会社が「産前産後休業終了届」を提出する
  5. 続けて育休を取得する場合は「育児休業等取得者申出書」の手続きも行う

自分の標準報酬月額・等級・保険料の目安は社保ジャッジ(https://tool.shaho-judge.com)で確認できます。産休前後の手取り変化の試算にもご活用ください。

まとめ

  • 産休中は健康保険料・厚生年金保険料が本人・会社負担ともに全額免除される
  • 月収30万円で産休3ヶ月間の本人分免除額は約12.7万円
  • 出産手当金(月収30万で約65万円・98日分)は産休中の社保免除とは別に受け取れる

産休の社保免除と出産手当金を合わせると、経済的なサポートはかなりの規模になります。産休前に手続きを確認し、受け取れる給付を漏らさないようにしましょう。

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※本記事の計算結果はあくまで目安・参考値です。実際の保険料・給付額は加入している健康保険組合や標準報酬月額の決定時期により異なります。本記事は税務・法律上のアドバイスを提供するものではありません。個別の判断は専門家にご相談ください。

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