この記事でわかること
- 106万円の壁の仕組みと社会保険加入の判定基準
- 2025年10月の制度変更による対象拡大の内容
- 社会保険加入による保険料負担増と将来のメリット
106万円の壁とは
「106万円の壁」とは、パート・アルバイトが一定の条件を満たした場合に社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられる年収の基準のことです。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。
年収106万円とは月収88,000円(年収1,056,000円)を指します。130万円の扶養の壁より低い水準で社会保険加入が発生するため、「知らなかった」という方も多い制度です。
加入が義務付けられる条件
以下の条件をすべて満たす場合、社会保険への加入が義務付けられます。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上(残業代・通勤手当を除く)
- 雇用見込み期間が2ヶ月超
- 学生でないこと
2025年10月からは企業規模に関する要件が撤廃され、上記の条件を満たすすべての労働者が対象となっています。これにより、これまで加入義務がなかった中小企業のパート・アルバイト従業員にも適用が拡大されました。自分の勤務条件が条件を満たしているか、早めに確認しておきましょう。
社会保険加入による保険料負担
実際にいくら保険料が増えるのか試算してみましょう。東京都・協会けんぽ加入、40歳未満の場合の目安です。
| 月収 | 標準報酬月額(等級) | 厚生年金(月) | 健康保険(月) | 合計(月) | 年間負担額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 88,000円 | 88,000円(1等級) | 8,052円 | 4,391円 | 12,443円 | 約14.9万円 |
| 100,000円 | 98,000円(2等級) | 8,967円 | 4,890円 | 13,857円 | 約16.6万円 |
| 120,000円 | 118,000円(5等級) | 10,797円 | 5,890円 | 16,687円 | 約20.0万円 |
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
月収88,000円の場合、社会保険加入により月約12,443円、年間約15万円の保険料負担が発生します。手取りが直接減るため、給与明細に初めて反映されたとき驚く方も多いです。ただしメリットもしっかりあるため、デメリットだけで判断しないようにしましょう。
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社会保険加入のメリット
保険料負担だけを見ると損に感じますが、社会保険加入にはしっかりしたメリットもあります。
将来の年金が増える
厚生年金に加入することで、国民年金(基礎年金)に加えて厚生年金が上乗せされます。保険料を払った期間と標準報酬月額に応じて、将来の年金受給額が増えます。パート・アルバイトでも長く加入し続けることで、老後の受取額に大きな差が生まれます。
健康保険の給付が充実する
協会けんぽに加入することで、傷病手当金(病気・ケガの休業時に給与の約2/3を最長1年6ヶ月支給)や出産手当金などの給付を受けられます。国民健康保険にはこれらの給付がないため、万が一のときに大きな差が出ます。
130万円の壁との違い
「130万円の壁」は、配偶者の扶養に入っている方が扶養から外れる年収基準です。106万円の壁は職場の社会保険加入要件、130万円の壁は家族の扶養に関する話で、対象となる条件が異なります。
106万円の壁に該当して社会保険に加入した場合、年収130万円以下でも扶養から外れることになります。自分がどちらの条件に当てはまるか、正確に把握しておくことが重要です。
自分の保険料を試算したい方は、社保ジャッジのツール(https://tool.shaho-judge.com)をご活用ください。月収と居住地を入力するだけで社会保険料の目安を確認できます。
まとめ
- 年収106万円(月収88,000円以上)・週20時間以上勤務で社会保険加入義務が発生する
- 2025年10月から企業規模要件が撤廃され、中小企業のパート・アルバイトにも対象が拡大した
- 保険料負担は増えるが、将来の年金増加や傷病手当金などのメリットもある
制度が変わったタイミングで自分の勤務条件を改めて確認しておきましょう。
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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。

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