106万円の壁とは?社保加入ラインを徹底解説

2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

この記事でわかること

  • 「106万円の壁」が生じる4つの加入条件と2024年10月改正のポイント
  • 社保加入で手取りが実際にどれくらい変わるか(具体的な計算例つき)
  • 130万円の壁との違いと、自分に当てはまるケースの見分け方

「今の働き方、106万円を超えたら社会保険に入らないといけないの?」——そんな疑問を持つ方、多いですよね。パートやアルバイトで働く方にとって、社保加入のラインは手取り額に直結する大事なポイントです。

この記事では、106万円の壁の定義から具体的な保険料の試算、そして130万円の壁との違いまで、わかりやすく丁寧に解説していきます。ぜひ最後まで読んで、自分のケースに当てはめてみてください。

106万円の壁とは?4つの加入条件を確認しよう

このセクションでは、106万円の壁が実際にどんな条件で発生するのかを整理します。

「106万円の壁」とは、パート・アルバイト労働者に社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務が生じる年収の目安のことです。ただし、年収だけが基準ではありません。以下の4つの要件をすべて同時に満たしたときに、はじめて加入義務が発生します。

要件 内容
①週所定労働時間 20時間以上
②月額賃金 88,000円以上(年収換算で約106万円)
③勤務期間 2カ月超の見込み
④事業所の規模 従業員51人以上(厚生年金被保険者数ベース)

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の加入判定は加入する保険者や事業所の状況によって異なります。

2024年10月の改正で対象事業所が拡大

2024年10月の法改正により、適用対象の事業所規模が「従業員101人以上」から「51人以上」へ引き下げられました。これによって、新たに社保加入義務が生じた労働者は全国で推計約20万人とされています(厚生労働省試算)。

2022年10月に501人以上→101人以上、2024年10月に101人以上→51人以上と、段階的に対象が広がってきました。さらに今後、規模要件を撤廃してすべてのパート労働者を社保適用とする法改正案も国会で審議中です。施行時期・内容については引き続き確認が必要です。

「自分の勤め先は何人規模?」と気になった方は、まず職場の担当部署や雇用契約書を確認してみましょう。規模要件を把握することが、手取り額を守る第一歩です。

社保加入で手取りはどれくらい変わる?試算で確認

このセクションでは、106万円ラインで社保加入した場合の実際の保険料負担を計算例で確認します。

社保ジャッジで実際に試算してみると、月収88,000円(106万円ライン)での負担額は次のようになります。

保険の種類 計算式 月額負担(本人分)
厚生年金 88,000円 × 9.15% 8,052円
健康保険(東京都) 88,000円 × 4.99% 4,391円
合計 12,443円/月

※介護保険料(40歳以上の場合)は別途加算されます。上記は40歳未満・東京都・協会けんぽの場合の目安です。

月約12,443円、年間換算で約149,316円の新規負担が発生します。月収8.8万円の方にとって月1.2万円超の減少は決して小さくありませんよね。

月収が上がるほど保険料も変わる

参考として、月収が高い場合の保険料も確認しておきましょう。いずれも東京都・協会けんぽ・40歳未満の場合の目安です。

月収 標準報酬月額(等級) 厚生年金 健康保険 月額合計
8.8万円 88,000円(第1等級) 8,052円 4,391円 12,443円
25万円 260,000円(第17等級) 23,790円 12,974円 36,764円
35万円 360,000円(第22等級) 32,940円 17,964円 50,904円
50万円 500,000円(第27等級) 45,750円 24,950円 70,700円

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

社保加入にはメリットもある

保険料の負担だけを見ると「損した気分」になるかもしれませんが、社保加入にはしっかりしたメリットもあります。

  • 将来の老齢厚生年金が増える:国民年金に上乗せして受け取れる
  • 傷病手当金:病気・ケガで働けなくなったとき、給与の約3分の2を最長1年6カ月受給できる
  • 出産手当金:産前産後に給与の約3分の2を受給できる
  • 保険料は事業主と折半:上表の金額はすでに半額負担後の数字

特に将来の年金や、万が一の保障を考えると、社保加入は一概に「損」とは言い切れません。自分のライフプランに照らして考えることが大切ですよね。

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106万円の壁と130万円の壁、何が違うの?

このセクションでは、混同されがちな「106万円の壁」と「130万円の壁」の違いを整理します。

この2つは似ているようで、実は性質がまったく異なります。シンプルに言うと、こんな違いがあります。

壁の種類 何が変わるか 適用条件
106万円の壁 勤務先で社会保険に強制加入 4要件(規模・労働時間・賃金・期間)を全て満たす場合
130万円の壁 配偶者の扶養(第3号被保険者)から外れる 年収130万円超になった場合(全事業所規模共通)

106万円の壁に該当しないケース(例:従業員50人以下の小規模事業所で働いている)でも、年収が130万円を超えると配偶者の扶養から外れ、自分で国民健康保険・国民年金に加入する必要が出てきます。

106万円と130万円の差は年収にして24万円。月収換算では8.8万円〜10.8万円の間に収入がある場合、勤務先の規模によって適用ルールが変わるので注意が必要です。「自分はどちらに当てはまるのか」をしっかり確認しておきましょう。

等級の境界線にも要注意

社保加入後も、賃金が少し変わるだけで標準報酬月額の「等級」が上がり、保険料が跳ね上がることがあります。たとえば月収26万9,999円(第17等級)と27万円(第18等級)では、標準報酬月額が2万円跳ね上がり、厚生年金で月1,830円・健康保険で月998円、合計月約2,828円の負担増になります。

残業代や各種手当が「報酬月額」に含まれる場合もあるため、うっかり上位等級に踏み込まないよう注意しましょう。収入調整を検討している方は、各等級の下限・上限の幅を把握しておくのがおすすめです。

2025年度の制度改正動向と今後の注目ポイント

このセクションでは、106万円の壁をめぐる最新の政策動向を確認します。

政府は「年収の壁・支援強化パッケージ」を継続実施中です。事業主が労働者の収入増加に取り組む場合、キャリアアップ助成金(社会保険適用促進コース)を活用できる制度も設けられています。

また、106万円の壁そのものを撤廃し、規模要件にかかわらずすべてのパート労働者を社会保険に適用する法改正案が国会で議論されています。施行時期・内容はまだ確定していないため、最新情報を随時確認することが重要です。制度が変わると、現在は対象外の方も突然加入義務が生じる可能性があります。

厚生労働省の2025年度資料によると、社会保険の適用拡大は「働き方の多様化への対応」と「年金の充実」を目的として、引き続き政策の柱のひとつとされています。自分の働き方が制度変更の影響を受けないか、定期的にチェックしておくと安心ですね。

まとめ:106万円の壁で押さえるべき3つのポイント

最後に、この記事の要点を3つに絞って振り返ります。

  1. 4要件すべてを満たしたときに加入義務が発生する:年収だけでなく、週20時間以上・月収8.8万円以上・2カ月超見込み・51人以上の事業所という4条件がすべて揃って初めて社保加入ラインになります。
  2. 加入による手取り減は月約1.2万円(年収106万円ライン):負担は生じますが、将来の年金増額・傷病手当金・出産手当金というメリットとセットで考えることが重要です。
  3. 130万円の壁とは別物:106万円の壁は「勤務先の強制加入ライン」、130万円の壁は「扶養から外れるライン」。自分がどちらに当てはまるかは勤務先の規模と年収で判断しましょう。

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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

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