この記事でわかること
- 健康保険の2種類(協会けんぽ・健保組合)の違い
- 保険料率の違いと会社規模による差
- 付加給付など給付内容の違い
会社員が加入する健康保険は2種類ある
会社員が加入する健康保険には大きく2種類あります。「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と「健康保険組合(健保組合)」です。どちらに加入するかは勤務先の会社によって決まり、自分で選ぶことはできません。
中小企業の多くは協会けんぽに加入しています。一方、大企業(主に従業員700人以上)は独自の健保組合を設立しているケースが多く、同業他社で共同設立した「総合健保組合」もあります。
給与明細の「健康保険料」の欄に記載されている額や加入先が、どちらの制度かを示しています。入社時の書類で「全国健康保険協会」と記載があれば協会けんぽ、「〇〇健康保険組合」とあれば健保組合です。
協会けんぽとは
協会けんぽは中小企業の会社員・従業員が主に加入する公的な健康保険です。2009年に「社会保険庁」から移管され、全国健康保険協会が運営しています。加入者数は約4,000万人以上と、日本最大の健康保険制度です。
保険料率は都道府県ごとに異なり、医療費の実績をもとに毎年改定されます。2025年度の保険料率(労使合計)は全国で最も低い新潟県(9.35%)から最も高い佐賀県(10.75%)まで差があります。東京都は9.98%です。
健康保険組合(健保組合)とは
健保組合は、大企業や同業企業グループが独自に設立・運営する健康保険組合です。組合の規約に基づいて保険料率・給付内容を独自に設定できます。財政状況が良い組合では、協会けんぽより保険料率が低く抑えられているケースがあります。
2025年度現在、全国に約1,380の健保組合が存在します。従業員数の多い企業ほど大規模で財政が安定した組合を持っていることが多く、保険料・給付面で手厚い内容になる傾向があります。
保険料率の違い
| 比較項目 | 協会けんぽ(東京都・2025年) | 健保組合(目安) |
|---|---|---|
| 保険料率(労使合計) | 9.98% | 7〜11%(組合による) |
| 本人負担率 | 4.99% | 3.5〜5.5%(組合による) |
| 都道府県差 | あり(9.35〜10.75%) | なし(組合ごとに設定) |
健保組合の保険料率は組合ごとに大きく異なります。財政状況の良い大手企業の組合では本人負担率が3%台になるケースもあります。一方、財政が厳しい組合では協会けんぽより高い料率になることもあります。
給付内容の違い(付加給付・法定給付)
協会けんぽの給付内容は健康保険法に定められた「法定給付」が基本です。一方、健保組合は法定給付に加えて「付加給付」と呼ばれる独自の上乗せ給付を行うことができます。
- 高額療養費の付加給付:法定の自己負担上限よりさらに低い金額を組合が設定し、超過分を補填する
- 出産育児一時金の上乗せ:法定の50万円に加えて組合独自の上乗せ給付がある場合がある
- 人間ドック補助:年1回の人間ドック受診費用の一部または全額を補助する組合がある
- 保養施設・スポーツ施設の割引:組合保有の施設や提携施設を低額で利用できる場合がある
付加給付の内容は組合によって大きく異なります。健保組合に加入している場合は、組合のウェブサイトや組合員向けの案内冊子で給付内容を確認しておきましょう。
自分の健康保険料を正確に確認したい方は社保ジャッジのツールをご活用ください。
まとめ
- 協会けんぽは中小企業向け・都道府県別料率。健保組合は大企業向け・組合独自の料率と給付
- 健保組合の保険料率は財政状況次第で協会けんぽより低くなる場合もある
- 健保組合は付加給付(高額療養費の上乗せ・人間ドック補助等)が充実していることが多い
- どちらに加入するかは会社が決める。転職時に確認しておくと良い
等級・保険料の詳細は社保ジャッジの無料ツールで確認できます。
本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料・給付内容は加入先の保険者にお問い合わせください。

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