この記事でわかること
- 在職老齢年金の仕組みと支給停止が起きる条件
- 2025年度の基準額(50万円)と具体的な計算例
- 年金を減らさずに働くための選択肢
在職老齢年金とは
在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受け取りながら会社員として働く場合に、給与と年金の合計額が一定水準を超えると年金の一部または全部が支給停止になる制度です。2025年現在、65歳以上が対象の制度として運用されています。
「せっかく年金をもらえる年齢になったのに、働くと減らされてしまう」という認識を持っている人も多いでしょう。実際にはどの程度の収入であれば減額が起きるのかを正確に把握しておくことが重要です。
2025年度から60〜64歳についても65歳以上と同じ基準額(50万円)に統一されています。従来の28万円基準から大幅に緩和されたことで、年金が減額されるケースが減りました。
支給停止の計算方法(2025年度版)
在職老齢年金の支給停止額は以下の計算式で求められます。
支給停止月額=(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷ 2
ここで、「基本月額」は老齢厚生年金の月額、「総報酬月額相当額」は現在の標準報酬月額+直近1年間の標準賞与額÷12です。合計が50万円以下であれば支給停止は発生しません。
| 年金月額 | 給与(標準報酬月額) | 合計 | 支給停止額 | 実際の受取年金 |
|---|---|---|---|---|
| 12万円 | 30万円 | 42万円 | 0円 | 12万円 |
| 15万円 | 40万円 | 55万円 | 2.5万円 | 12.5万円 |
| 20万円 | 40万円 | 60万円 | 5万円 | 15万円 |
| 10万円 | 50万円 | 60万円 | 5万円 | 5万円 |
※上記はあくまで目安・参考値です。賞与の扱いや加入状況によって実際の金額は異なります。
支給停止がゼロになるケース
年金月額+総報酬月額相当額が50万円以下であれば、在職中でも年金は全額受け取れます。たとえば月収30万円・年金月額15万円なら合計45万円で50万円以下のため、全額受給できます。2025年度の基準(50万円)は高水準であるため、多くの人が全額受け取れる水準になっています。
ただし、賞与が大きい月は「総報酬月額相当額」が一時的に上がるため、その月の判定に影響することがあります。ボーナスの多い会社員は注意が必要です。
年金を減らさずに働くための選択肢
在職老齢年金の減額を避けるためには、いくつかの選択肢があります。
- 給与を抑える:パートタイムや短時間勤務など、給与を50万円基準内に収める働き方を選ぶ
- 年金の繰り下げを選ぶ:在職中は年金を受け取らず繰り下げることで、将来の受取額を増やす(1ヶ月あたり0.7%増額)
- 厚生年金の被保険者を外れる雇用形態を選ぶ:週20時間未満・月収8.8万円未満の条件下で働く
働きながら年金をもらう場合は、自分の年金月額と予想給与を事前に試算してから就労条件を決めることをおすすめします。自分の年金見込み額はねんきんネットで確認できます。
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まとめ
- 在職老齢年金は給与と年金の合計が月50万円を超えると、超過分の半額が支給停止になる
- 2025年度から60〜64歳も65歳以上と同じ50万円基準に統一された
- 合計50万円以下であれば全額受け取れる。多くの人がこの範囲に収まる
- 減額を避けるには繰り下げ受給・短時間勤務などの選択肢がある
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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な年金額は日本年金機構または最寄りの年金事務所にお問い合わせください。

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