この記事でわかること
- 転職時に社会保険料の等級が決まる3つのタイミング
- 入社直後の等級が「資格取得時」に決まる仕組み
- 給与アップ後に社保料が上がるまでの期間と対策
転職で給与が変わっても社保料はすぐに変わらない
転職によって給与が大幅にアップしたにもかかわらず、「社会保険料がまだ以前の水準のまま」という経験をした人もいるのではないでしょうか。逆に「予想よりも早く社保料が上がった」と感じたケースもあるかもしれません。どちらの場合も、社会保険料の等級変更には一定のルールがあります。
社会保険料の等級が変わるタイミングは大きく3つあります。①入社時の資格取得、②給与が大きく変わった際の随時改定、③毎年4〜6月の給与をもとにした定時決定(算定基礎届)です。それぞれの仕組みを順に見ていきましょう。
①入社時:資格取得時の等級決定
転職後、新しい会社での社会保険に加入する際(資格取得時)、最初の等級は入社時の給与見込み額をもとに設定されます。実際に働いた月の給与ではなく、採用時に会社が届け出た見込み額が使われます。
たとえば月収35万円で入社した場合、その見込み額をもとに等級が設定されます。この等級は翌年の定時決定(7月改定)まで変わらないことが多く、最初の数ヶ月〜1年近く続く場合があります。
| 入社時の見込み月収 | 標準報酬月額の目安 | 社保料(東京・本人分・40歳未満)の目安 |
|---|---|---|
| 30万円 | 30万円(19等級) | 約42,420円/月 |
| 35万円 | 36万円(22等級) | 約50,868円/月 |
| 40万円 | 41万円(24等級) | 約57,974円/月 |
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
②給与が大きく変わった場合:随時改定
転職後に給与が変わっても、すぐに等級が変わるわけではありません。随時改定(月額変更届)が発生するのは、「固定的賃金の変動があり、変動後の3ヶ月間の平均報酬月額と現在の等級の標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合」です。
つまり、給与が1〜2万円程度上がっただけでは等級が変わらないことがほとんどです。2等級以上の差(目安として月収が約2〜4万円以上変動)がある場合に随時改定が行われ、変動後4ヶ月目の給与から新しい等級が適用されます。
③4〜6月の定時決定:社保料が確定するタイミング
毎年4〜6月の給与(残業代・通勤手当を含む)をもとに、7月から翌年6月まで適用される等級が決まります。これが「定時決定(算定基礎届)」です。転職した年の4〜6月にどれくらいの給与を受け取っているかが、1年間の社保料を左右します。
転職直後に4〜6月を迎える場合、残業の多い月が重なると等級が上がりやすくなります。前職から転職して給与が上がった年は特に注意が必要です。
転職後の4〜6月の残業に注意する理由
入社直後は仕事を覚えるために残業が増えるケースがあります。しかし入社のタイミングが3〜4月の場合、その残業代がそのまま定時決定に反映されます。結果として等級が高く設定され、以降1年間の社保料が高い水準に固定されてしまうことがあります。
転職した年の4〜6月は可能な範囲で残業を抑えることが、社保料節約の観点では合理的な選択です。もちろん業務上の必要性を優先すべきですが、仕組みを知った上で働き方を考えることは重要です。
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まとめ
- 社保料が変わるタイミングは「資格取得時」「随時改定(2等級以上の差)」「定時決定(4〜6月基準)」の3つ
- 入社直後は見込み給与で等級が仮決定され、翌年の定時決定まで続くことが多い
- 随時改定は2等級以上の差がないと発生しない
- 転職後の4〜6月の残業が多いと等級が高く固定されやすいため注意が必要
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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な社保料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。

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