フリーランス転向で社保料はどう変わる?比較試算

2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

この記事でわかること

  • 会社員とフリーランスで社会保険の仕組みがどう違うのか
  • 月収25万・35万・50万円それぞれの保険料比較試算
  • フリーランス転向後に使える節税・負担軽減テクニック

「フリーランスになったら手取りが増える!」と思っていたら、社会保険料の自己負担が想定外に増えてびっくり…そんな経験をする方が少なくありません。会社員時代は会社が保険料の半額を肩代わりしてくれていましたが、フリーランスになると全額自己負担です。転向前に「保険料がいくら変わるのか」をしっかり把握しておくことが、年収設計の第一歩になりますよ。

会社員とフリーランスの社会保険、何がどう違う?

このセクションでは、社会保険の制度そのものがどう切り替わるのかを整理します。

会社員は「健康保険(協会けんぽ等)+厚生年金」に加入します。保険料は標準報酬月額をもとに計算され、本人と会社が折半して負担します。2025年度の厚生年金保険料率は18.3%で、本人負担は9.15%。東京都の協会けんぽ健康保険料率は9.98%で、本人負担は4.99%です。つまり、あなたが払っている保険料と同じ金額を、会社も別途払ってくれているわけです。

一方、フリーランス(個人事業主)になると「国民健康保険(国保)+国民年金」へ切り替わります。国保の保険料は前年の所得をもとに市区町村ごとに計算され(所得割+均等割など)、国民年金は所得にかかわらず一律月額17,510円(2025年度)です。事業主という立場になるため、保険料は全額を自己負担することになります。

給付面でも大きな差がある

保険料だけでなく、もらえる給付も変わります。会社員が加入する健康保険には傷病手当金・出産手当金がありますが、国保には原則としてこれらがありません。また、雇用保険(失業給付)もフリーランスは対象外です。

将来の年金についても差があります。厚生年金は基礎年金に加えて報酬比例の上乗せ部分がありますが、国民年金は基礎年金のみ(2025年度の満額は月約68,000円)となります。月収50万円・40年加入の会社員なら、将来の厚生年金受給額は基礎年金に加えて月10万円超の上乗せが見込めるケースもあります。こうした「見えない損失」も含めて考えることが大切です。

月収別・社会保険料の比較試算

ここからが本題。実際に月収ごとの保険料がどう変わるか、数字で見ていきましょう。東京在住・東京23区の国保を前提とした試算です。

会社員時代の保険料(本人負担分)

月収 標準報酬月額(等級) 厚生年金(本人) 健康保険(本人) 合計/月 合計/年
25万円 26万円(17等級) 23,790円 12,974円 36,764円 約441,168円
35万円 36万円(22等級) 32,940円 17,964円 50,904円 約610,848円
50万円 50万円(27等級) 45,750円 24,950円 70,700円 約848,400円

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

フリーランス転向後の保険料(国保+国民年金)

事業所得の目安 国民年金/月 国保概算/月 合計/月(目安) 合計/年(目安) 会社員比・年間差額
約200万円(月収25万相当) 17,510円 約24,000〜27,000円 約41,510〜44,510円 約498,000〜534,000円 約+57,000〜+93,000円
約330万円(月収35万相当) 17,510円 約38,000〜43,000円 約55,510〜60,510円 約666,000〜726,000円 約+55,000〜+115,000円
約500万円(月収50万相当) 17,510円 約72,000〜80,000円 約89,510〜97,510円 約1,074,000〜1,170,000円 約+226,000〜+322,000円

※上記はあくまで目安・参考値です。国保料は市区町村・所得・世帯構成により大きく異なります。実際の保険料は加入先の保険者または担当部署にご確認ください。

特に月収50万円クラスだと、年間で最大32万円超の負担増になる可能性があります。フリーランスになって売上が増えても、この保険料増を見込まないと「なんか思ったより手元に残らない…」という事態になりかねません。社保ジャッジのツール(https://tool.shaho-judge.com)を使えば、自分の収入条件に合わせた試算が手軽にできますよ。

転向直後に使える「任意継続」という選択肢

フリーランス転向直後に意外と知られていないのが「任意継続被保険者制度」です。退職後20日以内に申請すれば、最大2年間、旧会社の健康保険に加入し続けることができます。

ポイントは保険料の計算上限です。任意継続の場合、標準報酬月額の上限(報酬月額30万円相当)で計算されます。たとえば月収50万円だった方が任意継続した場合、健保料は標準報酬月額300,000円×9.98%=約29,940円/月(全額自己負担)となります。先ほどの国保概算72,000〜80,000円と比べると、月約42,000〜50,000円の節約効果が見込めます(2年間限定・目安)。

月収35万円超だった方は、とくに任意継続が有利になるケースが多いです。転向後すぐに「とりあえず国保」にするのではなく、まず任意継続との比較をしてみることをおすすめします。傷病手当金など健保の給付も引き続き受けられる点も見逃せません。

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

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フリーランスが活用すべき節税・負担軽減テクニック

このセクションでは、フリーランスならではの負担軽減策を具体的に紹介します。保険料は「仕方ない」と思いがちですが、実は所得を下げることで国保料も連動して減らせます。

所得控除を使って国保料も下げる

国保料は前年の「所得」をベースに計算されます。つまり、所得を合法的に下げれば翌年の国保料も減らせるわけです。代表的な手段を整理すると:

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):国民年金第1号被保険者は月最大68,000円まで拠出可能。掛金は全額所得控除。
  • 小規模企業共済:月最大70,000円まで積み立てでき、掛金は全額所得控除。廃業・退職時の退職金としても機能します。
  • 国民年金基金:掛金は全額所得控除。iDeCoと合算して月最大68,000円が上限です。
  • 経費の適切な計上:事業に関係する費用は経費として計上し、所得を適正に圧縮する。

iDeCoと小規模企業共済をフル活用した場合、年間最大1,656,000円の所得控除が得られます。所得税・住民税の節税に加え、翌年の国保料も削減できる一石二鳥の効果があります。

転向初年度の「罠」に注意

フリーランス転向1年目は、前年(会社員時代)の高い所得をもとに国保料が計算されます。「事業がまだ軌道に乗っていないのに保険料が高い」という状況になりがちです。この場合、任意継続や低所得時の国保軽減措置(前年所得43万円以下で均等割最大7割軽減)の活用を検討してみましょう。

また、東京23区の国保料には上限があります。2025年度目安では医療分65万円+支援金分24万円=年89万円(40歳未満)が上限となっています。所得が高いほど「国保の上限で打ち止め」になるため、高収入フリーランスほど相対的な負担率は低くなるという逆転現象も起きます。

まとめ:転向前に試算して「想定外」をなくそう

フリーランス転向で社会保険料がどう変わるか、この記事の要点を3点で振り返ります。

  • ①保険料は増える可能性が高い:会社の折半負担がなくなり、国保を全額自己負担するため、特に月収35万円超では年間数万〜30万円超の負担増になるケースが多い。
  • ②転向直後は「任意継続」を必ず比較検討:月収35万円超だった人は、退職後2年間の任意継続が国保より安くなる可能性が高い。退職後20日以内に申請が必要なので要注意。
  • ③iDeCo・小規模企業共済で所得を下げれば国保料も下がる:翌年の国保料は前年所得に連動するため、節税策が保険料削減にも直結する。

「自分の場合、実際いくら変わるの?」と気になった方は、ぜひ社保ジャッジのシミュレーションツール(https://tool.shaho-judge.com)で試算してみてください。自分の収入・状況に合わせた数字が確認できます。

フリーランス転向後の収入が増えた分を賢く活用することも大切です。増えた保険料負担を資産運用でカバーする発想で、将来設計をより豊かにしていきましょう。

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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。

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