退職後の社会保険料はいくら?任意継続vs国保を比較

2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

この記事でわかること

  • 退職後に選べる健康保険の選択肢と、それぞれの仕組み
  • 月収25万・35万・50万円別の「任意継続vs国保」保険料シミュレーション
  • 自分にとってどちらが有利かを判断するための3つのポイント

「会社を辞めたら保険料はどうなるの?」と気になっていませんか。退職後は今まで会社が半分払ってくれていた社会保険料を、自分で選んで納めなければなりません。選び方を間違えると、年間で数十万円も余分に払うことになることもあるんです。

この記事では、任意継続と国民健康保険(国保)を具体的な金額で比較しながら、どちらが自分に合っているかを判断するヒントをお伝えします。ぜひ最後まで読んで、賢い選択に役立ててください。

退職後の健康保険、3つの選択肢がある

まずは退職後に取れる選択肢を整理しましょう。会社を辞めると健康保険の被保険者資格を失うため、すぐに次の健康保険に加入する必要があります。

  • ①任意継続被保険者制度:在職中と同じ健康保険に最長2年間継続加入する方法
  • ②国民健康保険(国保):自治体が運営する健康保険に加入する方法
  • ③家族(配偶者等)の扶養に入る:保険料ゼロで加入できる、最もお得な方法

③の扶養に入れる場合は、迷わずそちらを選びましょう。年収130万円未満(勤務先によっては106万円)が目安です。扶養に入れない場合に、①と②のどちらが得かを比較することになります。

任意継続の基本ルール

任意継続は、退職日の翌日から20日以内に申請する必要があります。この期限を過ぎると加入できないので注意してください。保険料は退職時の標準報酬月額をもとに計算され、在職中は会社が半分負担していた分もすべて自己負担になります(つまり保険料は約2倍)。

また、協会けんぽの場合、任意継続の標準報酬月額には上限30万円が設けられています。月収31万円以上の方は、実際の退職時の等級より低い30万円ベースで計算されるため、高収入者ほど割安になるという特徴があります。

国保の基本ルール

国保の保険料は、住んでいる自治体・前年の所得・世帯人数などをもとに計算されます。所得割・均等割・平等割などの組み合わせは自治体によって異なるため、一律の金額は言えません。退職直後(1年目)は前年の在職中の所得をもとに保険料が計算されるため、収入がゼロでも高い保険料が課される点に要注意です。

なお、2025年度(令和7年度)の国保賦課限度額は医療分87万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円(40〜64歳)で最大130万円/年となっています。高所得者はこの上限に近づくため、任意継続との差が縮まることもあります。

月収別シミュレーション:任意継続vs国保を比較

ここでは、東京都在住・自己都合退職・40歳未満のケースを例に、月収別の保険料を試算します。退職後は健康保険に加えて国民年金(月16,980円)も自己負担となる点も含めてご確認ください。

月収25万円の場合

標準報酬月額は260,000円(第17等級)です。在職中の健康保険・厚生年金の自己負担合計は月36,740円でした。退職後はどう変わるでしょうか。

項目 任意継続+国民年金 国保(東京都・目安)+国民年金
健康保険料(月) 25,948円(260,000×9.98%) 約29,000〜33,000円(目安)
国民年金(月) 16,980円 16,980円
合計(月) 約42,928円 約46,000〜50,000円

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

月収25万円の方は、任意継続の方が月3,000〜7,000円程度お得なケースが多い試算です。ただし退職2年目以降は前年所得(退職後の低い収入)をもとに国保が計算されるため、国保の保険料が大幅に下がる可能性があります。2年間トータルでの比較が重要です。

月収35万円の場合

標準報酬月額は360,000円(第22等級)ですが、任意継続では上限30万円が適用されます。つまり、実際の等級より低い基準で保険料が計算されるため、高収入の方ほど任意継続の割安感が増します。

項目 任意継続+国民年金 国保(東京都・目安)+国民年金
健康保険料(月) 29,940円(上限300,000×9.98%) 約42,000〜47,500円(目安)
国民年金(月) 16,980円 16,980円
合計(月) 約46,920円 約59,000〜64,500円
年間差額(目安) 約14〜21万円、任意継続が有利

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

月収35万円では、任意継続が年間14〜21万円ほどお得になる計算です。上限キャップの効果が大きく出るのが、この収入帯のポイントです。

月収50万円の場合

標準報酬月額は500,000円(第27等級)ですが、任意継続の上限30万円が適用されます。在職中の健康保険自己負担は24,950円でしたが、退職後の任意継続は29,940円と、増加幅は月約5,000円にとどまります。

項目 任意継続+国民年金 国保(東京都・目安)+国民年金
健康保険料(月) 29,940円(上限300,000×9.98%) 約85,000〜100,000円超(上限付近)
国民年金(月) 16,980円 16,980円
合計(月) 約46,920円 約102,000〜117,000円超

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率・世帯構成によって大きく異なります。

月収50万円の高収入層では、任意継続が月30,000〜50,000円以上お得になるケースも珍しくありません。国保の賦課限度額(年間最大130万円)に近づくほど差が開きます。高収入の方は特に任意継続を優先的に検討するとよいでしょう。

【PR】退職後のお金の不安を、資産運用で少しでも和らげたい方へ。保険料の負担が増える退職後こそ、お金を「増やす」仕組みを整えるチャンスかもしれません。

【PR】【DMM FX】について詳しくはこちら

判断を左右する4つの重要ポイント

単純な保険料比較だけでなく、状況によって判断が変わる重要なポイントを押さえておきましょう。

①リストラ・倒産なら国保の軽減特例を忘れずに

会社都合の退職(特定受給資格者・特定理由離職者)の方は、国保に「非自発的失業者の軽減特例」が適用されます。これは前年の給与所得を30%とみなして保険料を計算する制度です。

たとえば前年給与所得200万円の方なら、60万円とみなして所得割が計算されます。通常の国保保険料が年間50〜60万円になるところ、15〜20万円程度まで圧縮される可能性があります。ハローワーク発行の受給資格者証を自治体の国保窓口に持参して申請が必要なので、忘れずに手続きしてください。

②退職2年目以降は国保が逆転することも

国保は前年所得をもとに計算されるため、退職して収入が激減した翌年度は保険料が大幅に下がります。一方、任意継続は2年間ずっと退職時の標準報酬月額で計算されます。

つまり、退職1年目は任意継続が有利でも、2年目以降は国保の方が安くなる逆転現象が起きやすいのです。2022年1月の法改正で、任意継続から任意のタイミングで国保へ切り替えられるようになりました。「1年目は任意継続→2年目は国保」という柔軟な戦略も取れます。

③都道府県によって保険料率は異なる

協会けんぽの健康保険料率は都道府県によって異なります。任意継続でも加入時の都道府県の料率が適用されるため、引越しなどを予定している方は注意が必要です。

都道府県 健康保険料率(労使合計) 任意継続時の全額負担率
東京都・神奈川県 9.98% 9.98%
愛知県 9.90% 9.90%
大阪府 10.29% 10.29%
福岡県 10.36% 10.36%
新潟県(最低) 9.35% 9.35%
佐賀県(最高) 10.75% 10.75%

出典:厚生労働省・全国健康保険協会(協会けんぽ)2025年度料率。

④社保ジャッジで自分の数字を確認しよう

試算はあくまで目安です。自分の標準報酬月額・居住自治体・年齢・退職理由などを入力して、実際の数字を確認することが一番の近道です。社保ジャッジのシミュレーションツールを使えば、在職中から退職後の保険料変化を手軽に確認できます。

まとめ:退職後の社会保険料を賢く選ぶ3つのポイント

ここまでの内容を振り返りましょう。退職後の保険料選択で押さえておきたいことは次の3点です。

  • ① 月収30万円超の方は任意継続が有利なケースが多い:上限30万円キャップのおかげで、高収入者ほど任意継続の割安感が増します。
  • ② 退職1年目と2年目でお得が逆転することがある:前年所得が高い1年目は任意継続、2年目以降に国保へ切り替える戦略も有効です。2022年の法改正で途中解約も自由になりました。
  • ③ 会社都合退職なら国保の軽減特例を必ず申請する:保険料が大幅に圧縮される可能性があるため、ハローワークへの受給資格申請とセットで手続きを。

退職後の保険料は「どちらが正解」ではなく、自分の収入・自治体・退職理由によって答えが変わります。まずは社保ジャッジのツールで自分のケースを試算してみてください。数分で比較できますよ。

【PR】退職後の収入減をカバーするために、資産運用に興味が出てきた方はこちらもチェックしてみてください。少額から始められる投資・副業情報をまとめています。

【PR】【DMM FX】について詳しくはこちら


本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署、および居住自治体の国保担当窓口にご確認ください。

コメント