2025年度現在の情報をもとに執筆しています。
この記事でわかること
- 年収400万円から引かれる社会保険料・所得税・住民税の実額
- 手取り年収と月換算額(東京都・独身・40歳未満モデル)
- 居住地・年齢・賞与有無で手取りがどう変わるか
年収400万円は、国税庁の民間給与実態統計調査でも「給与所得者の平均年収に近い水準」として注目される金額です。「毎月の手取りが思ったより少ない気がする…」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、2025年度の最新の料率・税率を使って、実際に何円引かれ、何円が手元に残るのかをわかりやすく解説します。
年収400万円の標準報酬月額と等級
社会保険料の計算は「実際の月給」ではなく「標準報酬月額」という区切られた等級をもとに行われます。まずはここから確認しましょう。
賞与なし・月給均等の場合、年収400万円÷12ヶ月=月給約333,333円となります。報酬月額330,000円以上350,000円未満の区分に該当するため、標準報酬月額340,000円(第21等級)が適用されます。
等級は「以上・未満」の境界で区切られており、月給が330,000円を1円でも超えると21等級(標準報酬34万円)に入ります。逆に、月給がちょうど329,999円以下であれば20等級(標準報酬32万円)になります。わずか数千円の差が社保の金額を大きく左右するのが、等級制度の特徴です。
| 報酬月額の範囲 | 標準報酬月額 | 等級 |
|---|---|---|
| 310,000円以上〜330,000円未満 | 320,000円 | 第20等級 |
| 330,000円以上〜350,000円未満 | 340,000円 | 第21等級(年収400万円モデル) |
| 350,000円以上〜370,000円未満 | 360,000円 | 第22等級 |
社会保険料の実額シミュレーション
標準報酬月額340,000円をもとに、各保険料の本人負担額を計算します。2025年度の料率は以下のとおりです(東京都・協会けんぽ)。
月額・年額の内訳(東京都・40歳未満)
| 保険の種類 | 料率(本人負担) | 月額 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 厚生年金 | 9.15% | 31,110円 | 373,320円 |
| 健康保険(東京都) | 4.99% | 16,966円 | 203,592円 |
| 雇用保険 | 0.6% | 2,000円 | 24,000円 |
| 合計 | — | 50,076円 | 600,912円 |
毎月の給与から、社会保険料だけで約5万円が天引きされていることになります。年間で約60万円と聞くと、少し驚く方もいるかもしれませんね。
40歳以上の場合:介護保険料が加算
40歳になると、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。協会けんぽの2025年度介護保険料率は1.60%(本人負担0.80%)です。標準報酬月額340,000円に適用すると、月額2,720円・年間32,640円の追加負担となります。
| 年齢 | 介護保険料(月額) | 社保合計(月額) | 社保合計(年額) |
|---|---|---|---|
| 40歳未満 | 0円 | 50,076円 | 600,912円 |
| 40〜64歳 | 2,720円 | 52,796円 | 633,552円 |
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
40歳の誕生月から突然2,720円増えるので、「なんで手取りが減ったんだろう?」と疑問に思う方も少なくありません。これは介護保険が始まるタイミングのサインです。
所得税・住民税の計算
社会保険料の次は、所得税と住民税の計算を確認しましょう。税額は「課税所得」をもとに算出されます。
課税所得の求め方
まず、年収400万円から「給与所得控除」を引いて「給与所得」を求めます。2025年度の給与所得控除は、収入400万円の場合「収入×20%+44万円=124万円」です。
- 給与所得:400万円 − 124万円 = 276万円
- 社会保険料控除:年間約60.1万円(実際の支払額が控除される)
- 基礎控除(所得税用):48万円
- 課税所得(所得税用):276万円 − 60.1万円 − 48万円 ≒ 167.9万円
- 課税所得(住民税用):276万円 − 60.1万円 − 43万円 ≒ 172.9万円
税額の計算
| 税の種類 | 計算式 | 税額(年額) |
|---|---|---|
| 所得税 | 167.9万円 × 5%(+復興特別所得税) | 約85,700円 |
| 住民税 | 172.9万円 × 10% + 均等割5,000円 | 約177,900円 |
| 合計 | — | 約263,600円 |
課税所得167.9万円は所得税速算表の「195万円以下・税率5%」の区分に収まるため、所得税の税率はシンプルに5%の適用となります。住民税は全国一律10%(均等割は自治体により異なる)が基本です。
注目したいのは、所得税+住民税の合計が約26.4万円であるのに対し、社会保険料の合計は約60万円と、税より社保のほうが約2.3倍重いという点です。日本の給与天引きでは「税金より社保のほうが負担が大きい」という実態が数字に表れています。
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手取り年収・月額まとめ
ここまでの数字を合計して、年収400万円の「実際の手取り」を確認しましょう。
東京都・独身・40歳未満・賞与なしモデルの結果
| 項目 | 年額 | 月額換算 |
|---|---|---|
| 年収(総支給) | 4,000,000円 | 333,333円 |
| 社会保険料(控除) | −600,912円 | −50,076円 |
| 所得税(控除) | −85,700円 | −7,142円 |
| 住民税(控除) | −177,900円 | −14,825円 |
| 手取り年収 | 約3,135,488円 | 約261,290円 |
手取り率は約78.4%。つまり年収400万円のうち、約86.5万円が社保・税で天引きされている計算です。月に換算すると、毎月約7.2万円が「見えないコスト」として消えていくイメージですね。
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
条件別の手取り比較
| 条件の変化 | 手取り年収(概算) | 備考 |
|---|---|---|
| 東京都・40歳未満・独身(基本) | 約313.5万円 | 手取り率78.4% |
| 東京都・40〜64歳(介護保険あり) | 約310.8万円 | 年間−32,640円 |
| 新潟県・40歳未満(健保料率最低4.675%) | 約315.7万円 | 東京比+約12,852円/年 |
| 佐賀県・40歳未満(健保料率最高5.375%) | 約311.9万円 | 東京比−約15,708円/年 |
都道府県によって健康保険料率が異なるため、同じ年収400万円でも居住地だけで年間1〜1.5万円程度の差が生まれます。たとえば新潟県(料率最低・本人負担4.675%)と佐賀県(料率最高・本人負担5.375%)を比べると、標準報酬34万円ベースで年間約28,560円の差になります。
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
等級の「壁」と昇給時の注意点
標準報酬月額の等級には「壁」があり、月給が少し上がっただけで社保が大幅に増えることがあります。年収400万円前後でとくに注意したい境界線を確認しておきましょう。
月給330,000円の壁
月給が329,999円以下なら標準報酬月額320,000円(第20等級)ですが、330,000円になった瞬間に340,000円(第21等級)へ跳ね上がります。この場合の社保増加額はどのくらいでしょうか。
| 等級 | 標準報酬月額 | 厚生年金(月) | 健康保険(月・東京) | 社保合計(月) |
|---|---|---|---|---|
| 第20等級 | 320,000円 | 29,280円 | 15,968円 | 約45,248円 |
| 第21等級 | 340,000円 | 31,110円 | 16,966円 | 約48,076円 |
| 差額 | +20,000円 | +1,830円 | +998円 | +2,828円/月 |
月給がわずか3,333円増えただけなのに、社保が月2,828円(年間33,936円)増える可能性があります。昇給交渉や副業収入の設計をするときは、こうした等級の境界線を意識しておくと良いでしょう。
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まとめ:年収400万円の手取り、3つのポイント
この記事で確認した重要な数字と注意点を、最後に3点でまとめます。
- 手取りは約313.5万円(月約26.1万円):東京都・独身・40歳未満・賞与なしのモデルケース。社保約60万円+税約26.4万円の合計約86.5万円が年間の天引き額です。
- 社保の負担は税の約2.3倍:所得税+住民税の合計は約26.4万円ですが、社会保険料だけで約60万円。「税金が高い」と感じる前に、まず社保の負担感を把握することが家計改善の第一歩です。
- 年齢・居住地・賞与で手取りは変わる:40歳で介護保険が加わると年間約32,640円の追加負担。健保料率は都道府県ごとに異なり、新潟と佐賀では年間約28,560円の差になることも。自分の条件で正確に試算することが重要です。
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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

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