2025年度現在の情報をもとに執筆しています。
この記事でわかること
- 月収20万円の標準報酬月額等級と、各社会保険料の正確な控除額
- 東京都をはじめとする都道府県別・年齢別の手取り早見表
- 等級境界線が手取りに与えるインパクトと、賢く保険料を把握するコツ
「月収20万円もらっているのに、手取りが16万円台ってどういうこと?」——そう感じたことはありませんか。給与明細を見るたびに引かれている項目が多くて、どこで何がいくら引かれているのか把握しきれていない方も多いですよね。
この記事では、月収20万円のケースを中心に、社会保険料・税金の内訳をひとつひとつ丁寧に解説します。都道府県や年齢によって変わる部分もしっかりカバーしていますので、ぜひ自分のケースに当てはめながら読んでみてください。
月収20万円の標準報酬月額と等級
まずはこのセクションで、社会保険料計算の「土台」となる標準報酬月額と等級を確認しましょう。社会保険料は実際の月給ではなく、この「標準報酬月額」をもとに計算されます。
月収20万円(報酬月額195,000円以上〜210,000円未満)の場合、標準報酬月額は200,000円になります。厚生年金では第13等級、健康保険(協会けんぽ)では第17等級に該当します。
| 制度 | 等級 | 報酬月額の範囲 | 標準報酬月額 |
|---|---|---|---|
| 厚生年金 | 第13等級 | 195,000円以上〜210,000円未満 | 200,000円 |
| 健康保険(協会けんぽ) | 第17等級 | 195,000円以上〜210,000円未満 | 200,000円 |
ここで重要なのは、「195,000円以上210,000円未満」であれば月収が195,001円でも209,999円でも、同じ標準報酬月額200,000円が適用されるという点です。つまり、この範囲内でのわずかな月収の違いは、社会保険料にはまったく影響しません。ただし、範囲の境界線を超えると話が大きく変わります(詳しくは後述します)。
月収20万円の社会保険料・税金の内訳
このセクションでは、月収20万円から実際にいくら引かれるのか、保険料・税金の項目別に詳しく見ていきます。
社会保険料(40歳未満・東京都)
| 項目 | 計算式 | 本人負担額 |
|---|---|---|
| 厚生年金保険料 | 200,000円 × 9.15% | 18,300円 |
| 健康保険料(東京都・協会けんぽ) | 200,000円 × 4.99% | 4,990円(※料率9.98%の労使折半) |
| 雇用保険料(一般事業) | 200,000円 × 0.6% | 1,200円 |
| 社会保険料合計(40歳未満) | — | 24,490円 |
介護保険料(40歳以上65歳未満の場合)
40歳の誕生日を迎えると、健康保険料に上乗せして介護保険料も徴収されます。2025年度の協会けんぽ介護保険料率は労使合計1.60%で、本人負担は0.80%です。
| 項目 | 計算式 | 本人負担額 |
|---|---|---|
| 介護保険料(40歳以上65歳未満) | 200,000円 × 0.80% | 1,600円 |
| 社会保険料合計(40歳以上) | — | 26,090円 |
40代になると毎月1,600円、年間で19,200円の追加負担が発生します。40歳前後で手取りが少し減ったと感じたら、介護保険料の加算が始まったサインかもしれません。
所得税・住民税の目安
社会保険料以外にも、所得税と住民税が控除されます。所得税は扶養ゼロ・月額表(甲欄)の場合、社会保険料控除後の課税対象額に対して計算され、月収20万円では約3,200円前後が源泉徴収されます。住民税は前年の所得をもとに課税され、月割りで約8,500円前後が目安です(扶養状況・各種控除により変動します)。
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
手取り早見表:都道府県・年齢別シミュレーション
このセクションでは、居住地と年齢の組み合わせによって手取り額がどう変わるかを一覧でまとめます。健康保険料は都道府県ごとに協会けんぽの料率が異なるため、同じ月収でも地域によって手取りに差が出るんです。
東京都・主要都市の手取り概算(扶養0人)
| 都道府県 | 健康保険料(本人負担) | 社保合計(40歳未満) | 手取り概算(税込控除後) |
|---|---|---|---|
| 東京都(9.98%) | 4,990円 | 24,490円 | 約163,800〜165,000円 |
| 神奈川県(9.98%) | 4,990円 | 24,490円 | 約163,800〜165,000円 |
| 埼玉県(9.78%) | 4,890円 | 24,390円 | 約163,900〜165,100円 |
| 千葉県(9.75%) | 4,875円 | 24,375円 | 約163,900〜165,100円 |
| 愛知県(9.90%) | 4,950円 | 24,450円 | 約163,800〜165,000円 |
| 大阪府(10.29%) | 5,145円 | 24,645円 | 約163,600〜164,800円 |
| 北海道(10.21%) | 5,105円 | 24,605円 | 約163,600〜164,800円 |
| 福岡県(10.36%) | 5,180円 | 24,680円 | 約163,500〜164,700円 |
| 新潟県(9.35%・最安) | 4,675円 | 24,175円 | 約164,100〜165,300円 |
| 佐賀県(10.75%・最高) | 5,375円 | 24,875円 | 約163,400〜164,600円 |
最安の新潟県と最高の佐賀県では、健康保険料の差が月700円・年間8,400円にもなります。仕事の都合で都道府県をまたぐ転職をした際には、健康保険料の変化にも注目してみてください。
東京都・年齢別の手取り比較(扶養0人)
| 条件 | 社保合計 | 手取り概算 |
|---|---|---|
| 東京都・39歳以下 | 24,490円 | 約163,800〜165,000円 |
| 東京都・40〜64歳(介護保険加算) | 26,090円 | 約162,200〜163,400円 |
※手取り概算は所得税約3,200円・住民税約8,500円を含めた控除後の参考値です。実際の金額は扶養人数・各種控除・住民税額により異なります。
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等級境界線が手取りを左右する仕組み
このセクションでは、標準報酬月額の「等級境界線」が手取りにどれだけ影響するかを解説します。知っておくと、給与交渉や残業時間の管理にも役立つ知識です。
社会保険料の計算は「実際の月収」ではなく「標準報酬月額(等級)」で行われます。そのため、月収がわずかに上がっただけで等級が切り上がり、保険料が一気に跳ね上がる「境界線」が存在します。
月収20万円付近の境界線に注意
| 報酬月額 | 等級(厚生年金) | 標準報酬月額 | 厚生年金(本人負担) | 前等級との差 |
|---|---|---|---|---|
| 180,000円〜195,000円未満 | 第12等級 | 190,000円 | 17,385円 | — |
| 195,000円〜210,000円未満 | 第13等級 | 200,000円 | 18,300円 | +915円/月 |
| 210,000円〜230,000円未満 | 第14等級 | 220,000円 | 20,130円 | +1,830円/月 |
| 230,000円〜250,000円未満 | 第15等級 | 240,000円 | 21,960円 | +1,830円/月 |
たとえば月収が209,999円から210,000円に1円上がっただけで、標準報酬月額は200,000円から220,000円に上昇し、厚生年金の本人負担は18,300円から20,130円へ、月1,830円・年間21,960円もの差が生じます。これは「手取りで見ると実質マイナス」という状況になりかねません。
さらに重要なポイントとして、4〜6月の給与が標準報酬月額の算定基礎(定時決定)になるという点があります。この時期に残業が多かったり手当が増えたりすると、翌年9月から丸1年間、保険料が高い等級が適用されます。4〜6月は残業を少し抑えるだけで、翌年の保険料を変えられる可能性があるわけです。
ただし、厚生年金保険料を多く払うことは将来の受給額にも直結します。単純に「保険料が低ければ得」とは言えない面もありますので、長期的な視点でのバランスが大切ですよ。
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月収別・手取り比較シミュレーション
このセクションでは、月収20万円を基準に、他の月収帯と手取りを比較します。昇給や転職の際の参考にしてください(いずれも東京都・40歳未満・扶養0人の場合)。
| 月収 | 標準報酬月額(等級) | 厚生年金 | 健康保険 | 雇用保険 | 社保合計 | 手取り概算 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 200,000円(第13等級) | 18,300円 | 4,990円 | 1,200円 | 24,490円 | 約163,800〜165,000円 |
| 25万円 | 260,000円(第17等級) | 23,790円 | 6,487円 | 1,500円 | 31,777円 | 約195,000円前後 |
| 35万円 | 360,000円(第22等級) | 32,940円 | 8,982円 | 2,100円 | 44,022円 | 約269,000円前後 |
| 50万円 | 500,000円(第27等級) | 45,750円 | 12,475円 | 3,000円 | 61,225円 | 約372,800円前後 |
月収が20万円から25万円に5万円アップしても、社保・税金の増加分を引くと手取りの増加は約3万円程度にとどまります。昇給はもちろん嬉しいですが、「額面の増加=手取りの増加」ではないことを念頭に置いておきましょう。
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
まとめ:月収20万円の手取りを正確に把握しよう
この記事では、月収20万円の社会保険料・手取りについて詳しく解説しました。最後に要点を3点で振り返ります。
- 社保料の合計は約24,490円(東京都・40歳未満):厚生年金18,300円+健康保険4,990円+雇用保険1,200円。40歳以上は介護保険料1,600円が加算され約26,090円になります。
- 手取りは約163,800〜165,000円が目安:税金(所得税約3,200円・住民税約8,500円)を含めた控除後の参考値です。都道府県・扶養状況で変動します。
- 等級境界線(210,000円)を超えると年間21,960円の負担増:4〜6月の給与が翌年の保険料を決めるため、残業・手当のタイミングにも注意が必要です。
自分の正確な手取りを把握するには、居住地・年齢・扶養人数などの条件を入力できるシミュレーションツールが便利です。社保ジャッジの無料ツールでまずは試してみてください。
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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

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