賞与月の手取り計算|社保料・所得税の控除額試算

2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

この記事でわかること

  • 賞与から引かれる社会保険料・所得税の正確な計算方法
  • 月収・賞与額・年齢・居住地ごとのケース別手取りシミュレーション
  • 手取り率を左右する「境界線」と見落としがちなポイント

「ボーナスが出た!でも実際の振込額が思ったより少ない…」そんな経験、ありませんか?賞与から引かれる社会保険料と所得税は、月給の計算方法とは少し仕組みが異なります。仕組みを知っておくと、受け取り前にある程度の手取り額を把握できるのでとても便利ですよ。この記事では、2025年度の最新料率をもとに、ケース別のシミュレーションを交えながらわかりやすく解説します。

賞与の社会保険料はどう計算する?月給との違い

このセクションでは、月給とは異なる賞与の社会保険料計算の仕組みを理解しましょう。

月給の社会保険料は「標準報酬月額」という等級表を使いますが、賞与の場合は少し違います。賞与支給額(税引前)から1,000円未満を切り捨てた金額を「標準賞与額」とし、それに保険料率を掛けて計算します。たとえば賞与が503,800円なら、標準賞与額は503,000円となります。

2025年度に使用する主な保険料率(本人負担分)は以下のとおりです。

保険の種類 本人負担率 備考
厚生年金保険料 9.15% 標準賞与額の上限:1回150万円
健康保険料(東京都・協会けんぽ) 4.99% 年度累計上限:573万円
介護保険料(40歳以上65歳未満) 0.80% 2025年度・本人負担分
雇用保険料(一般の事業) 0.60% 農林水産・建設業は0.70%

東京都在住・40歳未満の場合、賞与から引かれる社保の合計率は 9.15%+4.99%+0.60%=14.74% が目安です。40歳以上65歳未満の方は介護保険料0.80%が加わり、合計 15.54% となります。

厚生年金の上限「150万円ルール」に注意

厚生年金には、1回の賞与で標準賞与額の上限が150万円という決まりがあります。賞与が150万円を超えても、厚生年金保険料は150万円×9.15%=137,250円が上限となり、それ以上は増えません。賞与が高額になるほど手取り率が改善される仕組みになっているわけです。

また健康保険(協会けんぽ)には年度累計573万円という上限もあります。年に複数回ボーナスが出る方は、累計額の管理も意識しておくとよいでしょう。

賞与の所得税はどう決まる?算出率表の読み方

このセクションでは、月給とは別ルールで計算される賞与の源泉所得税の仕組みを解説します。

賞与の所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率表」(国税庁・令和7年分)を使って計算します。ポイントは、賞与額そのものではなく、「前月の給与から社保料を引いた後の金額」をもとに税率が決まる点です。月収が高い人ほど前月の給与(社保控除後)が大きくなり、適用税率も高くなります。

計算の流れはシンプルです。

  1. 前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額を確認する
  2. その金額と扶養親族の数を算出率表に照らし合わせて税率を確認する
  3. (賞与額-賞与の社会保険料)×税率=源泉徴収税額

扶養0人・主要な前月給与帯の税率一覧(2025年度)

前月給与(社保控除後) 税率(扶養0人)
88,000円未満 0%
88,000円〜252,999円 2.042%
253,000円〜300,999円 4.084%
301,000円〜334,999円 6.126%
335,000円〜363,999円 8.168%
364,000円〜394,999円 10.210%
395,000円〜422,999円 12.252%
423,000円〜455,999円 14.294%
456,000円〜486,999円 16.336%
487,000円〜514,999円 18.378%
515,000円〜546,999円 20.420%

税率は復興特別所得税2.1%を含む数値です(出典:国税庁「令和7年分源泉徴収税額表」)。扶養親族の数が増えると適用税率が1〜2段階下がるため、手取りに大きな差が出る場合があります。たとえば前月給与(社保控除後)が301,000〜334,999円の場合、扶養0人では6.126%ですが、扶養1人では2.042%まで下がることがあり、賞与50万円に対する所得税が約17,000円以上軽くなるケースもあります。

ケース別シミュレーション|賞与の手取り額を試算

このセクションでは、実際の賞与額・月収・居住地・年齢別に手取り額を具体的に試算します。

ケース①:賞与50万円・月収25万円(東京都・40歳未満・扶養0人)

月収25万円は標準報酬月額260,000円(17等級)に該当します。前月の給与(社保控除後)の目安は、260,000円から各保険料を差し引いた約222,000円前後となり、算出率表では「88,000円〜252,999円」の区分(税率2.042%)が適用されます。

項目 金額
賞与支給額 500,000円
厚生年金保険料(9.15%) 45,750円
健康保険料(4.99%) 24,950円
雇用保険料(0.60%) 3,000円
社保合計 73,700円
源泉所得税(税率2.042%) 約8,705円
手取り概算 約417,595円(手取り率83.5%)

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

ケース②:賞与50万円・月収35万円(東京都・40歳未満・扶養0人)

月収35万円は標準報酬月額360,000円(22等級)に該当します。前月の給与(社保控除後)の目安は約307,000円前後となり、算出率表では「301,000円〜334,999円」の区分(税率6.126%)が適用されます。ケース①と賞与額は同じ50万円でも、月収が高い分だけ所得税が跳ね上がる点に注目です。

項目 金額
賞与支給額 500,000円
厚生年金保険料(9.15%) 45,750円
健康保険料(4.99%) 24,950円
雇用保険料(0.60%) 3,000円
社保合計 73,700円
源泉所得税(税率6.126%) 約26,115円
手取り概算 約400,185円(手取り率80.0%)

ケース①と比べると、所得税だけで約17,410円の差があります。月収が上がると所得税の算出率区分が変わり、賞与の手取りにも影響します。月収30万円前後・35万円前後の方は、前月給与の社保控除後の正確な金額を確認することが重要です。

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

ケース③:賞与100万円・月収50万円(東京都・40歳未満/以上・扶養0人)

月収50万円は標準報酬月額500,000円(27等級)に該当します。前月の給与(社保控除後)は約427,800円となり、税率は14.294%が適用されます。高賞与になるほど所得税の負担も大きくなる累進性が際立ちます。

項目 40歳未満 40歳以上65歳未満
賞与支給額 1,000,000円 1,000,000円
厚生年金保険料(9.15%) 91,500円 91,500円
健康保険料(4.99%) 49,900円 49,900円
介護保険料(0.80%) 8,000円
雇用保険料(0.60%) 6,000円 6,000円
社保合計 147,400円 155,400円
源泉所得税(税率14.294%) 約121,886円 約120,744円
手取り概算 約730,714円(73.1%) 約723,856円(72.4%)

40歳の誕生日を境に介護保険料(0.80%)が加わり、賞与100万円では8,000円の追加控除となります。誕生月のボーナスは少し手取りが変わるかもしれません。

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

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都道府県・年齢で変わる|賞与50万円の社保控除額比較

このセクションでは、居住地と年齢の違いが社保控除額にどう影響するかを確認しましょう。

協会けんぽの健康保険料率は都道府県によって異なります。同じ賞与50万円でも、住んでいる場所によって社保控除額が変わってくるのです。社保ジャッジで実際に各都道府県の料率を当てはめて確認してみると、その差は無視できない金額になることがわかります。

都道府県 健保料率(本人) 厚生年金 健保 介護(40歳以上) 雇保 社保合計(40歳未満) 社保合計(40歳以上)
東京都 4.99% 45,750円 24,950円 4,000円 3,000円 73,700円 77,700円
大阪府 5.145% 45,750円 25,725円 4,000円 3,000円 74,475円 78,475円
愛知県 4.95% 45,750円 24,750円 4,000円 3,000円 73,500円 77,500円
新潟県(最低水準) 4.675% 45,750円 23,375円 4,000円 3,000円 72,125円 76,125円
佐賀県(最高水準) 5.375% 45,750円 26,875円 4,000円 3,000円 75,625円 79,625円

新潟(最低)と佐賀(最高)を比べると、40歳未満で3,500円、40歳以上でも同じく3,500円の差があります(賞与50万円の場合)。これが年2回のボーナスなら年間7,000円の差。塵も積もれば山となりますね。

※介護保険料は2025年度の本人負担率0.80%で計算しています。実際の保険料は加入保険者や料率によって異なります。

手取りを左右する「境界線」を押さえよう

このセクションでは、賞与の手取り額を大きく変える「境界線」ポイントを整理します。

賞与の手取り計算には、少しの違いで結果が変わる「境界線」がいくつかあります。事前に知っておくと、驚きが少なくなりますよ。

境界線①:所得税の算出率が変わる前月給与の金額帯

たとえば前月の給与(社保控除後)が252,999円以下なら税率2.042%ですが、253,000円を超えると4.084%と倍になります。賞与50万円(社保控除後約426,300円)に適用すると、所得税が約8,705円→約17,410円と約8,700円もの差が生じます。月収が境界線付近の方は特に注意が必要です。

境界線②:厚生年金の標準賞与額上限「150万円」

賞与が150万円を超えると、厚生年金保険料は137,250円(150万円×9.15%)で頭打ちになります。賞与が増えても厚年保険料が増えないため、手取り率が改善される効果があります。高額賞与をもらっている方には、知っておきたいポイントです。

境界線③:40歳の誕生日と介護保険料

40歳になると介護保険料(2025年度・本人負担0.80%)が加わります。賞与100万円なら8,000円の追加控除です。誕生月のボーナス時期と重なる場合、想定より手取りが少なくなるかもしれませんので覚えておくとよいでしょう。

境界線④:扶養親族の人数

扶養親族が増えると、所得税の算出率表の区分が1〜2段階下がるケースがあります。前月給与(社保控除後)が301,000〜334,999円の場合、扶養0人は6.126%ですが扶養1人では2.042%まで下がることがあり、賞与50万円で17,000円以上の差になることも。扶養の状況は正確に申告しておきましょう。

まとめ:賞与の手取り計算で押さえる3つのポイント

賞与の手取り計算についてまとめると、次の3点が重要です。

  • 社保料は「標準賞与額×料率」で計算:厚生年金(9.15%)・健康保険(都道府県別)・雇用保険(0.60%)を賞与額に直接掛けるシンプルな仕組み。40歳以上は介護保険料0.80%が追加。
  • 所得税は「前月給与(社保控除後)の金額帯」で決まる:賞与額だけでなく月収の水準で税率が変わる。月収が高い人ほど所得税率が上がり、手取り率が低下しやすい。
  • 居住地・年齢・扶養の数で手取りは変わる:同じ賞与額でも都道府県の健保料率差・介護保険適用・扶養人数によって手取りに数千〜数万円の差が生じる。

自分の条件を正確に当てはめて計算するには、手計算では少し手間がかかります。社保ジャッジのツール(https://tool.shaho-judge.com)を使えば、月収・賞与額・年齢・居住地を入力するだけで手取り額の目安をすぐに確認できます。ぜひ活用してみてください。

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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

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