企業型DC節税術|iDeCoとの違いを徹底比較

2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

この記事でわかること

  • 企業型DC(確定拠出年金)の節税の仕組みと具体的な効果額
  • iDeCoとの違い・どちらが有利かの判断ポイント
  • 選択制DC・マッチング拠出が社会保険料に与える影響

「会社で企業型DCに加入しているけど、正直どのくらい得しているのかよくわからない…」そんな声、よく聞きます。確かに、給与明細を見ても企業型DCの節税効果は見えにくいですよね。でも実は、うまく活用すれば年間数万〜20万円近い節税になることも。この記事では、具体的な数字をもとにわかりやすく解説します。

企業型DC(確定拠出年金)の節税の仕組み

このセクションでは、企業型DCがなぜ節税になるのか、その仕組みを理解しましょう。

企業型DC(企業型確定拠出年金)は、企業が毎月掛金を拠出し、従業員が自ら運用商品を選んで将来の年金を積み立てる制度です。大きなポイントは、企業が拠出する掛金が従業員の給与所得に含まれないという点。つまり、もらっているのに税金がかからない、という仕組みなんです。

節税効果は大きく3つあります。

  • 所得税・住民税の軽減:掛金分だけ課税所得が減るため、税負担が下がる
  • 運用益が非課税:通常の投資なら運用益に約20%課税されるが、DC内は非課税
  • 受取時にも控除が使える:一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除が適用

厚生労働省の資料によると、企業型DCは2022年10月の制度改正でiDeCoとの併用要件も大幅に緩和されました。以前は「企業型DCに入っているとiDeCoは使えない」というケースが多かったのですが、現在は多くの会社員がiDeCoと組み合わせられるようになっています。

2025年度の拠出限度額(上限額)

加入パターン 企業型DC上限(月額) iDeCo上限(月額)
他の企業年金なし 5.5万円 2万円(併用時)
確定給付型年金等あり 2.75万円 1.2万円(併用時)

※上記は2025年時点の情報です。制度改正が行われる場合がありますので、最新情報は厚生労働省または加入先でご確認ください。

月収別・節税シミュレーション

このセクションでは、月収ごとの具体的な節税額を試算します。ご自身の収入と照らし合わせてみてください。

社保ジャッジで実際に試算した結果をもとに、代表的な月収パターンで節税効果を確認してみましょう。

月収 標準報酬月額(等級) DC掛金(月額) 年間節税効果(目安) 適用税率帯
25万円 26万円(17等級) 2万円 約38,400〜48,000円 所得税5〜10%+住民税10%
35万円 36万円(22等級) 2万円 約48,000円 所得税10%+住民税10%
50万円 50万円(27等級) 5.5万円(上限フル) 約198,000円 所得税20%+住民税10%

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料や節税効果は加入する保険者や料率、各種控除の状況によって異なります。

月収50万円の方が上限フル(月5.5万円・年66万円)を活用した場合の節税効果は年間約19.8万円。さらに運用益が非課税なので、仮に年利3%で30年運用すると、元本約1,980万円が複利効果で2,850万円超に膨らむ試算も(あくまで参考値・運用成果を保証するものではありません)。

月収35万円の方でも、年間約4.8万円の節税に加え、20年間・年利3%で運用すると元本480万円が約655万円超になる試算があります。「塵も積もれば山となる」とはまさにこのことですね。

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iDeCoとの違い・どちらを選ぶべき?

このセクションでは、企業型DCとiDeCoの主な違いを整理し、どちらが有利かを考えます。

「企業型DCに入っているけど、iDeCoも使えるの?」という疑問を持つ方も多いですよね。2022年10月の改正後は、多くの場合で併用できるようになりました。ただし、マッチング拠出を選んでいる場合はiDeCoとの同時加入はできません(2025年時点)。

企業型DC vs iDeCo 主な違い一覧

比較項目 企業型DC iDeCo
掛金の拠出者 企業(+マッチング拠出で従業員も可) 個人(全額)
節税の種類 給与非算入(課税所得から外れる) 小規模企業共済等掛金控除(所得控除)
加入手続き 会社経由(自動加入のケースも) 個人で金融機関を選んで手続き
運用商品の選択 会社が選定したラインナップから選ぶ 金融機関が提供する豊富な商品から選べる
運用益 非課税 非課税
受取時 退職所得控除 or 公的年金等控除 退職所得控除 or 公的年金等控除

マッチング拠出とiDeCoの選び方

マッチング拠出とは、企業の掛金に従業員が上乗せして拠出できる仕組みです。上乗せ分は「小規模企業共済等掛金控除」にはなりませんが、非課税で積み立てられる点は同じです。一方、マッチング拠出を利用するとiDeCoとの同時加入はできなくなります。

月収35万円・税率20%帯の方がiDeCoを月2万円追加拠出した場合の追加節税効果は、年間約48,000円(2万円×12ヶ月×20%)が目安です。マッチング拠出でも同額を拠出した場合は、控除の種類が違えど非課税で積み立てられる点では同じメリットがあります。どちらが有利かは、会社のDCプランの商品ラインナップや自分の運用スタイルも含めて検討するのが得策です。

選択制DC(給与切り出し型)と社会保険料の関係

このセクションでは、「選択制DC」という仕組みが社会保険料に与える影響を解説します。

一部の企業では「選択制DC(給与切り出し型)」という制度を採用しています。これは給与の一部をDC掛金として振り替える仕組みで、標準報酬月額が下がるため社会保険料の節減効果が生まれることがあります。

等級境界での具体的な影響例

たとえば月収37万円の方が月2万円を選択制DCに振り替えると、報酬月額が35万円になります。標準報酬月額は38万円(23等級)から36万円(22等級)へ。この等級差による社会保険料の節減額を計算すると…

項目 切り替え前(38万円・23等級) 切り替え後(36万円・22等級) 差額(月・本人分)
厚生年金 380,000×9.15%=34,770円 360,000×9.15%=32,940円 ▲1,830円
健康保険(東京) 380,000×4.99%=18,962円 360,000×4.99%=17,964円 ▲998円
合計 53,732円 50,904円 ▲2,828円/月
(年▲約33,936円)

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

月約2,800円・年間約3.4万円の社会保険料節減は魅力的ですよね。ただし、注意点もあります。標準報酬月額が下がると、将来もらえる老齢厚生年金も減少します。損益分岐点は概ね65〜70歳以降の年金受給累積額で判断することになるため、短期の手取り増と長期の年金減のトレードオフを慎重に考える必要があります。

ご自身の状況をもっと詳しく確認したい方は、社保ジャッジの試算ツールも活用してみてください。→ 社保ジャッジ 無料試算ツール

受取時の課税ルールと退職所得控除の活用

このセクションでは、企業型DCを受け取るときの税金のルールを確認します。「積み立てたはいいが、受け取り時に全部課税される?」という不安を解消しましょう。

企業型DCの給付は受取時に課税対象となりますが、大きな控除が使えるため実質的な税負担はかなり抑えられます。受取方法は①一時金、②年金、③両者の組み合わせから選べます。

退職所得控除の計算例

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
例:勤続30年 800万円+70万円×10年=1,500万円

※退職金との合算・受取年によって税務上の取り扱いが変わる場合があります。あくまで参考値です。

勤続30年の方なら1,500万円の控除枠があります。企業型DCの積立額がこの範囲内であれば、一時金受取時の税負担はほぼゼロになる計算です。ただし、会社の退職金との合算になる点や、2022年以降の改正議論もあるため、受取時期が近い方は税理士等への相談もご検討ください。

まとめ:企業型DCの節税、3つのポイント

ここまでの内容を整理します。企業型DCの節税について、おさえておきたいポイントは次の3つです。

  • 掛金は非課税・運用益も非課税:年収・税率次第で年間数万〜20万円超の節税効果がある
  • iDeCoとの組み合わせでさらに節税強化:マッチング拠出を使わなければiDeCoとの併用が可能(2025年時点)
  • 選択制DCは社会保険料にも影響:等級が下がれば保険料節減になるが、将来の年金受給額とのトレードオフに注意

企業型DCは、うまく使えば節税・資産形成の両面で非常に強力な制度です。まずは自社の制度内容を確認し、iDeCoとの組み合わせも含めて自分に合った活用法を探してみてくださいね。社保ジャッジの試算ツールで、ご自身の保険料や節税効果をシミュレーションするのもおすすめです。→ 社保ジャッジ 無料試算ツール

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本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料や税金の取り扱いは、加入先の保険者、会社の担当部署、または税理士等の専門家にご確認ください。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

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