この記事でわかること
- 年収500万円の会社員が毎月・毎年いくら社会保険料を払っているのか【実額】
- 社保料・所得税・住民税を差し引いた「本当の手取り額」はいくらか
- 40歳以上の介護保険加算や都道府県別の保険料差がどれほど手取りに影響するか
「年収500万円」と聞くと、なんとなく”中堅クラス”というイメージを持つ方が多いかもしれません。実際、国税庁の民間給与実態統計調査でも平均年収は460万円前後とされていますから、500万円はちょうど平均よりやや上の水準です。
ただ、大切なのは「額面」ではなく「手取り」ですよね。毎月の給与明細を見て、「こんなに引かれるの?」と驚いた経験がある方も少なくないでしょう。
この記事では、2025年度現在の社会保険料率・税率に基づいて、年収500万円の手取り額を1円単位まで試算しました。勤務地や年齢による差もしっかり解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
年収500万円の社会保険料はいくら?【月額・年額で一覧】
このセクションでは、年収500万円の会社員が毎月・毎年支払う社会保険料の実額を、項目ごとに分解して確認していきます。
試算の前提条件
まず、今回のメインモデルの前提を整理しておきましょう。
- 年収500万円・賞与なし均等払い(月給 約416,667円)
- 勤務地:東京都(協会けんぽ加入)
- 単身・扶養なし・40歳未満
- 標準報酬月額:410,000円(第24等級)※報酬月額395,000円以上425,000円未満
標準報酬月額とは、社会保険料の計算に使う「みなし月収」のようなものです。月給約41.7万円は、第24等級の410,000円に該当します。この数字が保険料計算のベースになりますので、しっかり押さえておきましょう。
社会保険料の内訳【月額・年額】
| 項目 | 計算式 | 月額(本人負担) | 年額(本人負担) |
|---|---|---|---|
| 厚生年金 | 410,000円 × 9.15% | 37,515円 | 450,180円 |
| 健康保険(東京都) | 410,000円 × 4.99% | 20,459円 | 245,508円 |
| 雇用保険 | 416,667円 × 0.6% | 2,500円 | 30,000円 |
| 社保合計 | — | 60,474円 | 725,688円 |
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
年間で約72.6万円——これが年収500万円の会社員が払っている社会保険料の実額です。月給の約14.5%が社保料として天引きされている計算になります。この数字を見て「結構引かれるな…」と感じた方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、厚生年金の料率18.3%(本人負担9.15%)は2017年度に上限に達して以降固定されています。一方、健康保険料率は都道府県ごとに毎年見直されるため、勤務地によって差が出ます。この点は後ほど詳しく解説しますね。
税金を引いた「本当の手取り」を計算してみた
このセクションでは、社保料に加えて所得税・住民税を差し引き、年収500万円の「本当の手取り額」を明らかにします。
所得税の計算ステップ
所得税は段階を踏んで計算していきます。実際に筆者も電卓を叩きながら確認してみました。
| ステップ | 項目 | 金額 |
|---|---|---|
| ① | 給与収入 | 5,000,000円 |
| ② | 給与所得控除(500万×20%+44万) | ▲1,440,000円 |
| ③ | 給与所得(①−②) | 3,560,000円 |
| ④ | 社会保険料控除 | ▲725,688円 |
| ⑤ | 基礎控除(所得税) | ▲480,000円 |
| ⑥ | 課税所得(③−④−⑤) | 約2,354,000円 |
| ⑦ | 所得税額(⑥×10%−97,500円) | 約137,900円 |
| ⑧ | 復興特別所得税(⑦×2.1%) | 約2,900円 |
| ⑨ | 所得税合計(⑦+⑧) | 約140,800円 |
課税所得が約235万円ですので、所得税の税率は10%(控除額97,500円)の区分に入ります(195万円超〜330万円以下の区分)。復興特別所得税2.1%を加算して、所得税は年間約14.1万円です。
住民税の計算
住民税は基本的に一律10%ですが、基礎控除が所得税より5万円少ない43万円になる点に注意が必要です。
- 課税所得:3,560,000円 − 725,688円 − 430,000円 = 約2,404,000円
- 所得割:2,404,000円 × 10% = 約240,400円
- 均等割:5,000円
- 住民税合計:約245,400円
年収500万円の手取り総額
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 5,000,000円 |
| 厚生年金 | ▲450,180円 |
| 健康保険(東京都) | ▲245,508円 |
| 雇用保険 | ▲30,000円 |
| 所得税(復興税込み) | ▲140,800円 |
| 住民税 | ▲245,400円 |
| 手取り額 | 約3,888,000円 |
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
年収500万円に対して手取りは約389万円、手取り率はおよそ77.8%です。つまり額面の約22%、金額にして111万円ほどが社保料と税金で消えている計算になります。月額に直すと、毎月約9.3万円が天引きされていることになりますね。
この数字を見て「もっと手取りを増やせないかな」と感じた方もいるかもしれません。手取り額を改善するには、iDeCoやふるさと納税といった所得控除の活用に加えて、資産運用で”お金に働いてもらう”発想も大切です。
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40歳以上は要注意!介護保険料で手取りがさらに減る
このセクションでは、40歳の誕生日を境に加わる介護保険料が手取りにどう影響するかを見ていきます。
介護保険料の実額
40歳になると、健康保険料に上乗せする形で「介護保険料」が天引きされます。2025年度の協会けんぽの介護保険料率は全国一律1.60%(本人負担0.80%)です。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 介護保険料(本人負担) | 3,280円(410,000円×0.80%) | 39,360円 |
| 40歳未満の社保合計 | 60,474円 | 725,688円 |
| 40歳以上の社保合計 | 63,754円 | 765,048円 |
年間約3.9万円の追加負担です。「たった3.9万円」と思うかもしれませんが、40歳から65歳までの25年間で計算すると約98万円にもなります。しかも社保料が増えると社会保険料控除も増えるため税金は若干減りますが、手取りの減少をカバーしきれるほどではありません。
40歳以上モデルの手取りは約385万円前後となり、40歳未満と比べて年間約3.5〜3.9万円ほど手取りが減る計算です。
勤務地で変わる!都道府県別の保険料格差
このセクションでは、同じ年収500万円でも勤務地(協会けんぽの都道府県支部)によって健康保険料がどれだけ変わるかを比較します。
主要都道府県の健康保険料比較【標準報酬月額410,000円】
| 都道府県 | 本人負担率 | 月額 | 東京との年間差 |
|---|---|---|---|
| 新潟(最安) | 4.675% | 19,168円 | ▲15,492円(安い) |
| 愛知 | 4.95% | 20,295円 | ▲1,968円(安い) |
| 東京・神奈川 | 4.99% | 20,459円 | —(基準) |
| 大阪 | 5.145% | 21,095円 | +7,632円(高い) |
| 福岡 | 5.18% | 21,238円 | +9,348円(高い) |
| 佐賀(最高) | 5.375% | 22,038円 | +18,948円(高い) |
※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。
最安の新潟県と最高の佐賀県では、年間約34,440円もの差があります。同じ会社でも転勤で勤務地が変われば保険料が変わる、というのは意外と見落とされがちなポイントです。
なお、大企業の健康保険組合(組合健保)に加入している場合は、協会けんぽとは料率が異なります。一般に組合健保のほうが料率が低い傾向がありますので、自分がどの保険者に加入しているか確認してみてくださいね。
等級の「境界線」にも注意
社会保険料は標準報酬月額の「等級」で決まるため、月収がわずか1円変わるだけで1等級上がり、保険料がガクッと増えるケースがあります。
たとえば、月収394,999円(標準報酬380,000円・第23等級)から月収395,000円(標準報酬410,000円・第24等級)にたった1円増えた場合を見てみましょう。
- 厚生年金:月+2,745円(年+32,940円)
- 健康保険:月+1,497円(年+17,964円)
- 社保合計:月+4,242円(年+約50,904円)
月収が1円増えただけで社保負担が年間約5万円増える——これが等級制度の「逆転ゾーン」です。特に4月〜6月は残業代や手当によって標準報酬月額が決定(定時決定)されるため、この時期に残業が集中すると9月以降1年間の社保負担が上がってしまうことがあります。
「自分の等級がどこに該当するか知りたい」「残業を調整したら手取りがどう変わるか確認したい」という方は、社保ジャッジの無料ツールで簡単にシミュレーションできます。
賞与あり・なしで手取りはどう変わる?
このセクションでは、同じ年収500万円でも「月給のみ」と「月給+賞与」で社保料がどう変わるかを比較します。
賞与なし vs 賞与ありの比較
| パターン | 月給 | 賞与 | 標準報酬月額 | 厚生年金(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 賞与なし均等払い | 約416,667円 | 0円 | 410,000円(第24等級) | 37,515円 |
| 月給30万+賞与200万 | 300,000円 | 1,000,000円×2回 | 300,000円(第19等級) | 27,450円 |
月給部分だけを見ると、賞与ありモデルのほうが月々の厚生年金が約1万円安くなります。ただし、賞与にも同じ9.15%の厚生年金保険料がかかるため、年間トータルの社保料はほぼ同額になります。
とはいえ、毎月の手取りキャッシュフローは月給の設定によって変わります。「月々の家計管理がしやすいか」「賞与がカットされるリスクはないか」といった観点で、自分に合った給与構成を考えてみるのも良いでしょう。
まとめ:年収500万円の手取りは約389万円
ここまでの内容を3つのポイントで振り返ります。
- 年収500万円(単身・40歳未満・東京都)の手取りは約389万円。額面の約22%にあたる約111万円が社保料と税金で天引きされる
- 40歳以上は介護保険料が年間約3.9万円加算され、手取りは約385万円前後に減少する
- 都道府県や等級の境界線によって手取りが数万円単位で変動する。特に4〜6月の残業代は要注意
「自分の正確な社保料や手取りを知りたい」という方は、社保ジャッジの無料シミュレーターで月収を入力するだけで瞬時に試算できます。等級の境界線チェックにもぜひ活用してみてください。
また、毎月約9.3万円も天引きされている現実を知ると、「手取りを少しでも有効に活用したい」という気持ちが出てくるのは自然なことです。iDeCoやつみたてNISAといった税制優遇制度の活用はもちろん、少額から始められる資産運用で手取りを”増やす”発想も、これからの時代には大切になってきます。
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※本記事は2025年度現在の情報をもとに執筆しています。計算に使用した保険料率は協会けんぽ(東京都)・厚生年金保険の2025年度適用分です。
※本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。

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