賞与の社会保険料はいくら?計算方法と手取りを解説

ボーナスの明細を見て「こんなに引かれるの?」と驚いた経験はありませんか?毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)にも社会保険料はしっかりかかります。しかも、計算の仕組みは月給とは少し違うんです。

この記事では、2025年度の最新料率をもとに、賞与から引かれる社会保険料の計算方法を具体例つきでわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 賞与の社会保険料の計算方法と「標準賞与額」のしくみ
  • 賞与30万円・50万円・100万円・200万円の具体的な控除額と手取り目安
  • 月給の社会保険料との違い、上限額、都道府県別の差など見落としがちな注意点

※2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

賞与の社会保険料はどう計算する?基本の仕組み

このセクションでは、賞与にかかる社会保険料の計算ルールを基礎からお伝えします。

「標準賞与額」とは?月給との違い

月給の社会保険料は「標準報酬月額等級表」に当てはめて計算しますが、賞与はもっとシンプルです。賞与の場合は税引前の賞与総支給額から1,000円未満を切り捨てた金額=「標準賞与額」に、保険料率を直接かけて計算します。

たとえば、賞与が452,800円なら標準賞与額は452,000円。この800円の端数切り捨てだけで、保険料が約116円軽くなる計算です。小さな差ですが、知っておくと明細のチェックに役立ちますよね。

月給では等級表の区切りで保険料がステップ状に変わりますが、賞与は支給額が1円増えるごとに保険料も比例して増えるのが特徴です。

2025年度の保険料率一覧

計算に使う保険料率は以下のとおりです(いずれも本人負担分)。

保険の種類 本人負担率 備考
厚生年金保険 9.15% 労使合計18.3%(2017年9月〜固定)
健康保険(東京都・協会けんぽ) 4.99% 労使合計9.98%、都道府県で異なる
介護保険(40歳以上65歳未満) 0.80% 労使合計1.60%
雇用保険(一般の事業) 0.60% 標準賞与額ではなく「賞与総支給額」に課される

計算式はシンプルです。

社会保険料(本人負担)= 標準賞与額 × 各保険料率

雇用保険だけは標準賞与額ではなく、1,000円未満を切り捨てる前の「賞与総支給額」にかかる点に注意しましょう。

見落とし注意!2つの上限額

賞与の社会保険料には上限額が設けられています。高額な賞与をもらう方は特に重要なポイントです。

  • 厚生年金:1回あたり150万円が上限。150万円を超えた部分には厚生年金保険料がかかりません。
  • 健康保険:年度累計573万円(4月〜翌年3月)が上限。夏冬の賞与合計が573万円を超えると、超過分には健康保険料がかかりません。

たとえば賞与200万円の場合、厚生年金は150万円分しか計算されないため、上限がなかった場合と比べて約45,750円の負担減になります。年収1,000万円超の方はこの上限が効いてくるケースがあるので覚えておきましょう。

【具体例】賞与の金額別・手取りシミュレーション

このセクションでは、よくある賞与額ごとに社会保険料と手取り目安を試算します。いずれも東京都・協会けんぽの料率で計算しています。

賞与30万円(39歳以下)の場合

項目 計算 金額
標準賞与額 300,000円
厚生年金 300,000 × 9.15% 27,450円
健康保険 300,000 × 4.99% 14,970円
雇用保険 300,000 × 0.6% 1,800円
社会保険料合計 44,220円
手取り目安 約255,780円

控除率は約14.7%。賞与30万円でも約4.4万円が社会保険料として引かれることがわかります。

賞与50万円(40歳以上・介護保険あり)の場合

項目 計算 金額
標準賞与額 500,000円
厚生年金 500,000 × 9.15% 45,750円
健康保険 500,000 × 4.99% 24,950円
介護保険 500,000 × 0.80% 4,000円
雇用保険 500,000 × 0.6% 3,000円
社会保険料合計 77,700円
手取り目安 約422,300円

40歳以上になると介護保険料4,000円が上乗せされます。39歳以下なら同じ賞与50万円で社会保険料は73,700円、手取りは約426,300円です。誕生日を境に手取りが変わるので、40歳を迎える年は明細を要チェックですね。

賞与100万円・200万円(39歳以下)の場合

項目 賞与100万円 賞与200万円
標準賞与額 1,000,000円 2,000,000円
厚生年金(上限適用) 91,500円
(100万円×9.15%)
137,250円
150万円×9.15%)
健康保険 49,900円 99,800円
雇用保険 6,000円 12,000円
社会保険料合計 147,400円 249,050円
手取り目安 約852,600円 約1,750,950円
控除率 約14.7% 約12.5%

賞与200万円のケースでは、厚生年金の上限150万円が適用されるため、超過50万円分の保険料(約45,750円)が免除されています。その結果、控除率が14.7%から12.5%へ下がっていますね。

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。

ここまで見てきた社会保険料の負担を少しでも軽くする方法のひとつが、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象となるため、賞与にかかる所得税・住民税を抑える効果が期待できます。

【PR】賞与の手取りを少しでも増やしたい方へ——iDeCoで税負担を軽減する第一歩を踏み出してみませんか?

都道府県で手取りが変わる?健康保険料の地域差

このセクションでは、意外と知られていない健康保険料の都道府県格差を具体的な金額で比較します。

賞与50万円での健康保険料比較(2025年度・39歳以下)

都道府県 本人負担率 健康保険料
新潟県(全国最低) 4.675% 23,375円
愛知県 4.95% 24,750円
東京都・神奈川県 4.99% 24,950円
北海道 5.105% 25,525円
大阪府 5.145% 25,725円
福岡県 5.18% 25,900円
佐賀県(全国最高) 5.375% 26,875円

最安の新潟県と最高の佐賀県では、賞与50万円に対して1回あたり3,500円、年2回支給なら年間7,000円もの差が生じます。転勤や転職で勤務先の都道府県が変わると、同じ賞与額でも手取りが変わる可能性があることは頭に入れておきたいですね。

賞与の社会保険料で知っておきたい5つの注意点

このセクションでは、計算例だけではカバーしきれない実務上の注意点を整理します。

1. 賞与と月給の保険料は完全に別計算

「賞与をもらったら月給の等級が上がるのでは?」と心配する方がいますが、それは誤解です。月給の標準報酬月額と賞与の標準賞与額はまったく別の枠で計算されるため、賞与が月給の保険料に影響することはありません。

2. 同じ月に複数回の賞与が出たら合算

決算賞与と夏季賞与が同月に支給されるような場合、標準賞与額は合算して上限を判定します。厚生年金の上限150万円に達するケースが出てくるかもしれないので注意しましょう。

3. 産休・育休中の賞与は保険料免除の可能性あり

産前産後休業中や育児休業中に賞与が支給された場合、会社が届出をしていれば社会保険料が免除されます。ただし、届出が行われていないと免除が適用されないため、該当する方は人事・総務部門に確認しておくことをおすすめします。

4. 雇用保険は端数処理前の「総支給額」にかかる

社会保険料(健康保険・厚生年金)は1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」が基準ですが、雇用保険は切り捨て前の賞与総支給額に対して課されます。明細の数字を自分で検算するときは、この違いに気をつけてください。

5. 所得税もかかることを忘れずに

この記事では社会保険料にフォーカスしていますが、実際の賞与の手取りは社会保険料に加えて所得税も差し引かれます。賞与の所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に基づいて計算され、前月の給与額や扶養人数によって税率が変わります。社会保険料と所得税を合わせると、賞与総支給額の20〜25%程度が控除されるケースも珍しくありません。

社保ジャッジで自分の賞与手取りをチェックしよう

このセクションでは、実際に自分の条件でシミュレーションする方法をご紹介します。

ここまで読んで「自分の賞与だと実際いくら引かれるの?」と気になった方は、ぜひ社保ジャッジのシミュレーションツールを使ってみてください。都道府県や年齢、賞与額を入力するだけで、社会保険料の目安額がすぐにわかります。

社保ジャッジ シミュレーションツール

筆者も実際に社保ジャッジで賞与50万円・東京都・39歳以下の条件を入力してみましたが、この記事で紹介した計算結果とほぼ一致しました。手入力の計算ミスが心配な方にも安心です。

まとめ:賞与の社会保険料、押さえるべき3つのポイント

最後に、記事全体の要点を振り返ります。

  1. 計算はシンプル:賞与の社会保険料は「標準賞与額(1,000円未満切り捨て)× 保険料率」で算出。月給のような等級表は使いません。
  2. 控除率は約14〜15%が目安:東京都・39歳以下の場合、賞与に対する社会保険料の控除率は約14.7%。40歳以上は介護保険が加わり約15.5%になります。
  3. 上限額を活用できるケースも:厚生年金は1回あたり150万円、健康保険は年度累計573万円が上限。高額賞与の方は上限を超えた分の保険料が免除されます。

賞与からの控除額を正確に把握しておくと、ライフプランの見通しが立てやすくなります。まずは社保ジャッジのシミュレーションツールで、ご自身の条件を試算してみてはいかがでしょうか。

また、社会保険料は自分でコントロールしにくい支出ですが、iDeCoを活用すれば所得税・住民税の負担を軽減し、将来の資産形成にもつなげることができます。

【PR】賞与の手取りアップとセットで考えたい、iDeCoの節税メリットをチェックしてみませんか?

本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料は加入先の保険者または会社の担当部署にご確認ください。

コメント