企業型DC(確定拠出年金)で節税|iDeCoとの違いも解説

この記事でわかること

  • 企業型DC(企業型確定拠出年金)がどんな仕組みで節税につながるか
  • iDeCoとの違い・どちらを活用すべきか
  • 社会保険料まで削減できる「意外な効果」の具体的な金額

2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

企業型DCとは?節税の仕組みをわかりやすく解説

このセクションでは、企業型DCの基本的な仕組みと、なぜ節税効果が生まれるのかを整理します。

企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、会社が毎月一定の掛金を積み立て、従業員自身が運用方法を選んで老後の資産を作る年金制度です。いわば「会社が積み立て、自分で育てる」年金と言えます。

節税効果のポイントは大きく3つあります。

  • 所得税・住民税の軽減:会社が拠出した掛金は従業員の給与として課税されない
  • 社会保険料の削減:掛金分が標準報酬月額の算定から除外される
  • 運用益が非課税:積立期間中の運用益に税金がかからない(特別法人税は2025年度も凍結継続中)

特に見落とされがちなのが「社会保険料の削減」です。通常、給与が上がると健康保険・厚生年金の保険料も上がりますが、企業型DCの掛金は標準報酬月額の計算に含まれないため、掛金分だけ「保険料の計算対象となる給与」が下がります。これが思わぬ節約効果を生むんですよね。

社会保険料まで減る!具体的な節約額を試算

このセクションでは、実際の月収別に社会保険料の削減額を計算して、効果をリアルに確認します。

企業型DC最大のメリットとも言える社会保険料削減効果。実際にどれくらい変わるのか、社保ジャッジで試算してみました。計算条件は東京都・協会けんぽ(健康保険料率9.98%、本人負担4.99%)、厚生年金本人負担9.15%です。

月収25万円・35万円での試算

条件 標準報酬月額(等級) 厚生年金(月) 健康保険(月) 合計(月)
月収25万円・DC掛金なし 260,000円(第17等級) 23,790円 12,974円 36,764円
月収25万円・DC掛金2万円 240,000円(第16等級) 21,960円 11,976円 33,936円
月収35万円・DC掛金なし 360,000円(第22等級) 32,940円 17,964円 50,904円
月収35万円・DC掛金2万円 340,000円(第21等級) 31,110円 16,966円 48,076円

月収25万円・35万円のどちらも、掛金2万円の拠出で等級が1段階下がり、月約2,828円・年間約33,936円の社会保険料削減になっています。

月収50万円・上限額5.5万円を拠出した場合

条件 標準報酬月額(等級) 厚生年金(月) 健康保険(月) 合計(月)
月収50万円・DC掛金なし 500,000円(第27等級) 45,750円 24,950円 70,700円
月収50万円・DC掛金5.5万円 440,000円(第25等級) 40,260円 21,956円 62,216円

月収50万円で上限いっぱいの5.5万円を拠出すると、等級が2段階ダウン。社会保険料だけで年間約101,808円の削減です。さらに所得税・住民税(合算税率30%想定)の軽減効果も合わせると、年間でトータル30万円超の節税・節減効果が期待できます。

※上記はあくまで目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。等級の変動幅も個人の状況によって変わりますので、必ず加入先でご確認ください。

「もう少し詳しく自分の数字で計算したい」という方には、保険料を手軽にシミュレーションできるツールがおすすめです。

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等級境界線を知ると節約効果がさらに大きくなる

このセクションでは、社会保険料の「等級」の仕組みを理解して、企業型DCの拠出額を賢く設定するポイントを解説します。

社会保険料は報酬月額をいくつかの「等級」に区分して計算します。つまり、給与が少し変わっても等級をまたがなければ保険料は変わりません。そのため、等級の境界ギリギリにいる方は、わずかな掛金額でもドンと1等級下がり、節約効果が一気に広がります。

例えば月収35万円(報酬月額350,000円)は第22等級の下限ぎりぎり。ここで掛金を1万円以上に設定して報酬ベースを340,000円未満に下げると第21等級に移行し、社会保険料が減少します。逆に等級の中間帯にいる方は、境界を超えるまで等級変動が起きないため「掛金を増やすほどリニアに節約」とはならない点に注意が必要です。

なお、社会保険料の削減は会社側の負担分も同時に減るため、労使合計では本人の削減額の約2倍の効果が発生します。掛金2万円の場合、会社も同額の約2,828円/月・年間約33,936円の負担減になる計算です。

一点、大切なお話をしておきます。社会保険料を多く払うと将来の厚生年金受給額が増える側面もあります。「今の節約」と「将来の年金」どちらを重視するかは、ライフプランと合わせて考えることが大切です。

iDeCoとの違いを比較|どちらを選ぶべき?

このセクションでは、企業型DCとiDeCoの主な違いを整理し、賢い活用法を考えます。

2022年10月の法改正により、企業型DC加入者もiDeCoに原則自由に加入できるようになりました(マッチング拠出選択者を除く)。では、この2つはどう違うのでしょうか?

企業型DC vs iDeCo 比較表

項目 企業型DC iDeCo
掛金の拠出者 会社(マッチング拠出で本人も可) 本人
節税の仕組み 給与課税対象外(所得税・住民税軽減) 小規模企業共済等掛金控除(所得控除)
社会保険料への影響 標準報酬月額の算定から除外→削減効果あり なし(社会保険料は変わらない)
拠出上限(月額) 最大5.5万円(他の企業年金なし時) 2万円(企業型DC加入者・他年金なし時)
手続き 会社経由 個人で国民年金基金連合会へ
運用益 非課税 非課税

大きな違いは「社会保険料に影響するかどうか」です。iDeCoの掛金は所得控除になりますが、標準報酬月額の計算には影響しません。一方、企業型DCの掛金は標準報酬月額の算定から除外されるため、所得税・住民税に加えて社会保険料まで削減できる点が大きなアドバンテージです。

企業型DC+iDeCo併用のパワー

月収35万円の方が企業型DC2万円+iDeCo2万円の合計4万円を拠出した場合、等級が2段階ダウンし、社会保険料は年間約67,872円の削減(単独拠出の約2倍)になる試算です。※iDeCo分が標準報酬月額に影響するかは制度上の取扱いを確認してください。

上限の範囲内で両制度を上手に組み合わせることで、節税・節減効果を最大化できます。

受取時の税制もチェック|退職所得控除を味方につける

このセクションでは、企業型DCを将来受け取るときの税の扱いと、賢い受け取り方を解説します。

積立中の節税効果だけでなく、受け取り方でも節税ができます。企業型DCの受取方法は「一時金(退職金)」と「年金」の2択(または併用)です。

一時金で受け取る場合:退職所得控除

一時金で受け取ると「退職所得控除」が適用されます。控除額は加入年数によって決まります。

  • 加入20年まで:1年あたり40万円(最低80万円)
  • 加入20年超の部分:1年あたり70万円

たとえば加入20年なら控除額800万円、30年なら1,500万円まで非課税枠が広がります。長く積み立てるほど税の有利さが増す設計です。

年金で受け取る場合:公的年金等控除

年金形式で受け取ると「公的年金等控除」が使えます。公的年金と合算される点には注意が必要ですが、うまく活用すれば税負担を分散できます。

どちらが有利かは退職金の金額・他の収入・加入年数によって異なります。受け取り方の選択は老後の節税において非常に重要なポイントですので、退職前には専門家への相談もおすすめです。

まとめ:企業型DCで節税・節約できる3つのポイント

企業型DC(確定拠出年金)の節税効果を振り返ると、大きく3点に整理できます。

  • 所得税・住民税の軽減:掛金分が給与課税対象外になり、税負担が減る
  • 社会保険料の削減:標準報酬月額の算定から除外されるため、健康保険・厚生年金の保険料も下がる(iDeCoにはないメリット)
  • 運用益・受取時の優遇:積立中は非課税、受取時は退職所得控除や公的年金等控除が使える

特に月収が等級の境界付近にある方は、少額の掛金設定だけで等級が変わり、思った以上の社会保険料節約につながるケースがあります。まずは自分の標準報酬月額の等級を確認し、どのくらい掛金を設定すれば節約効果が出るかをシミュレーションしてみてくださいね。

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節税・節約の選択肢を広げたい方には、資産運用の観点からもサポートしてくれるサービスを活用するのもひとつの手です。

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※上記の計算例はすべて目安・参考値です。実際の保険料は加入する保険者や料率によって異なります。等級変動の有無や拠出限度額は制度変更により変わる場合があります。
本記事は情報提供を目的としており、税務・法律上のアドバイスではありません。正確な保険料・税額は加入先の保険者または会社の担当部署、税理士等の専門家にご確認ください。2025年度現在の情報をもとに執筆しています。

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